公開日:2022/12/29
最終更新日:2024/06/13

実はすごく便利!勤怠管理をICカードに変えた場合のメリット6選

ICカード打刻のメリット6選

勤怠管理システムには、現場の状況に合わせた打刻方法が用意されており、なかでもICカードによる打刻は導入コストが比較的安くなっています。
例えば、交通系ICカードや社員証といったICカードにより打刻できるため、すでに使っているのであれば打刻用カードリーダーを用意するだけで導入可能です。
しかし、製品によって使えるICカードの種類や規格が異なりますので、本記事ではメリット5選と合わせて注意点についてもご紹介していきます。

そもそも勤怠管理のICカード打刻とは?

ICカード打刻とは、FeliCa規格もしくはMIFARE規格を搭載したICカードを使用し、勤怠の打刻管理を行うものです。
社員は交通系ICカードや社員証など、定められた規格の搭載されたICカードを使用し、職場に設置された機器にタッチして打刻します。
システム側でICカード情報に登録された社員情報や打刻時間を記入するため、社員はタッチするだけで打刻でき、面倒な入力作業は不要となります。
コストはあまりかからず、PCも不要で勤怠管理ができるため、工場や大勢の従業員のいる企業での導入がおすすめです。

 

ICカード打刻が向いている企業

  • 従業員にPCやスマホが貸与されていない場合
  • 従業員数が多く簡単に打刻できる勤怠を導入したい場合
  • コストをかけずに不正打刻を防止したい場合

ICカード打刻は、PCやスマホを会社が貸与していないケースにて、おすすめの打刻システムです。
勤怠管理システムの導入に合わせて、PCやスマホを貸与することになると、多くのコストがかかってしまうため、コスト面でみたら現実的ではありません。
しかし、ICカード打刻だと、カードリーダーとFeliCa規格もしくはMIFARE規格を搭載したカードのみで導入できます。

また、従業員数が多い企業でもICカード打刻が向いており、交通系ICカードであれば、打刻時に交通費精算も一緒に対応可能です。
打刻システムで交通費情報を取得できるため、従業員は交通費情報をシステムに入力する手間が削減できます。
さらに、ICカードは従業員1人ひとりに貸与されているので、不正な打刻時間や交通費の申請ができません。
ICカード打刻では、従業員の勤怠管理や交通費精算までシステムで網羅できるため、コストをかけずに効率化したい企業は検討してみてはいかがでしょうか。

●ICカード打刻が向いていない企業
運送業や営業などの直行・直帰が多い業種だと、そもそも帰社することが少ないため、ICカード打刻よりもスマホ打刻のほうがおすすめです。
また、全従業員がPCを所持しているのであれば、より低コストのPC打刻のほうが、導入コストはかからない可能性もあります。

 

ICカード打刻のために必要なもの

時計と予定

必要なもの 料金の目安
ICカードリーダー 9万~10万円
打刻用のICカード 無料~1枚500円未満

ICカード打刻により勤怠管理するには、主にICカードをタッチするカードリーダーと、打刻用のICカードの2つが必要となります。
カードリーダーの料金目安としては、1台あたり9~10万円で用意でき、PCとの接続ではなく無線で接続できる端末も販売されています。
次に必要となるのは打刻用のICカードですが、すでに従業員が所持している社員証や交通系ICカードなら無料で、用意するとしても1枚500円未満です。
ここからは、ICカード打刻に必要なICカードリーダーと打刻用ICカードについてご紹介していきます。

 

ICカードリーダー

ICカードリーダーは、勤怠管理システムごとに種類は異なりますが、PC接続が必要か不要かの2通りに分かれます。
PC接続の必要なものは、カードリーダーをPCやタブレットに接続して使うので、設置場所にある程度のスペースを必要とします。
反対に、PCを接続が不要なものであれば、無線により通信を行えるため、壁掛けや小スペースにも設置できるのが特徴です。
ピットタッチというICカードリーダーは、PC接続不要で使えるシリーズが販売されており、場所を取らずに導入できます。

 

打刻するためのICカード

規格 特徴
FeliCa規格 交通系ICカード、スマートフォンなどに搭載
MIFARE規格 taspo、社員証、会員カードなどに搭載

打刻するためのICカードは、FeliCa規格とMIFARE規格という2つの規格によって分類されており、それぞれ開発した会社が異なります。
FeliCa規格はソニーが独自開発し、セキュリティ機能を搭載しているので、スマートフォンのおサイフケータイの規格としても使われています。
次にMIFARE規格は、オランダのNXPが独自開発した規格で、マイナーであるものの安価のため、社員証や会員カードなどに搭載することが多いようです。
規格ごとに特徴や使われているICカードは異なるため、自社に合った機能をもとに選んでみてください。

 

勤怠管理をICカード打刻に変えたときのメリット6選

カードをもつビジネスマン

勤怠管理をICカード打刻に変えることにより、さまざまな効果を得られますが、企業側と従業員側でそれぞれメリットは異なります。
企業としては、コストをかけずに不正打刻がしにくくできるので、勤怠管理の効率化と適切な管理を同時に叶えられます。
従業員からすると、データ入力する手間がなく、入力ミスや打刻漏れを防げるため、勤怠管理システムの導入は企業・従業員にとって大きなメリットです。
さらに、出社とテレワークの区別にもなるので、さまざまな働き方に対応する目的としても、ICカード打刻は非常に有効です。

 

①導入コストが安い

ICカードリーダーと打刻用のICカードを用意するだけで導入でき、PC専用のポータル打刻やタイムカードと比べて導入コストが安いです。
ICカードリーダーは、複数の出入り口に設置する場合は台数分の導入が必要になりますが、1台のみの設置なら10万円前後で導入できます。
さらに、打刻するためのICカードは、従業員がすでに交通系ICカードを所有しているのであれば、用意する必要がないので無料で導入可能です。
また、交通系ICカードを所持していなくても、社員証として使用されるMIFARE規格のICカードなら、顔写真なしだと1枚500円未満で作れます。
長期的な目線で見た場合、紙のタイムカードだと用紙やインク代がかかりますが、ICカード打刻は他の打刻方法よりもコストが安く済むのがメリットでしょう。

 

②不正打刻がしにくい

ICカード打刻は従業員がそれぞれ所有しているICカードで打刻するため、不正打刻がしにくいというメリットがあります。
タイムカードや共用PCによる打刻の場合、ログイン不要だと別の人が出勤や退勤を押すことが可能となり、不正打刻や打刻ミスが起きやすいのがデメリットです。
しかし、ICカードの場合は、ほかの従業員のICカードを持っていないと、不正打刻が起きにくくなっています。
ただし、ICカード紛失時にはセキュリティリスクが発生するため、紛失・盗難時の対応はあらかじめマニュアル化しておくようにしましょう。

 

③データ入力の手間がなくなる

ICカード打刻の機能が搭載されている勤怠管理システムは、ほとんどのものが給与計算システムに勤怠データを自動反映できるようになっています。
具体的には、CSV出力できるようになっており、欲しいタイミングでまとまったデータとして取得可能です。
すでに導入している給与計算システムによっては、勤怠システムと連携できないものもありますが、データの手入力は最低限で済むのがメリットでしょう。
もし、打刻方法がタイムカードだった場合、打刻したタイムカードを一度読み取り、その後給与計算システムに合わせてデータを反映させる必要があります。
手入力により対応する必要がでてしまい、月末の忙しい時期だと従業員の負担となってしまうため、ICカード打刻は労務担当者にもメリットが多いです。

 

④入力ミスや打刻漏れを減らせる

ICカード打刻の場合、カードリーダーを出入り口に設置することで、「出入り口を通るときに打刻する」というルーティーン化ができます。
PC打刻の場合、忙しい時期だと入力ミスを起こす可能性や、勤怠をあとで入れようとして忘れてしまうことは多々あるでしょう。
しかし、ICカード打刻は出社してタッチするだけなので、入力のミスや打刻漏れを起こす可能性が低くなります。
ただし、ICカードを忘れてしまった日はタッチによる打刻ができなくなるため、手入力にも対応したシステムを選ぶといった工夫が必要です。

 

⑤出社とテレワークの区別をつけやすくなる

ICカード打刻以外にも、PC打刻やスマホ打刻ができる勤怠管理システムの場合は、出社とテレワークの区別をつけることができます。
複数の打刻方法が搭載されたシステムでは、出社時にはICカード打刻、テレワークであればGPS打刻と働き方に合わせた打刻方法を使用できます。
テレワークの場合、ICカード打刻だと正確な勤怠情報かわかりにくく、ハイブリッドワークの企業では扱いにくいでしょう。
しかし、複数の打刻方法を用意している勤怠管理システムだと、従業員の働き方に合わせて打刻方法を変えられるのが大きなメリットです。

 

⑥勤怠打刻と交通履歴の読み取りが同時に行える

交通系ICカードを勤怠打刻に使用することで、ICカードをかざした際に、交通履歴も一緒に読み取ることができます。
例えば、出張などの交通費を申請する際に、領収書の提出が義務付けられている会社もあるかと思いますが、ICカードを利用した交通手段であれば、領収書を発行する手間が省けます。
ICカードリーダーと経費精算システムを連携させることで、勤怠打刻の際に交通履歴を読み取り、経費精算の際には過去の交通履歴から該当するものを選択して出張費精算を申請することが可能です。
経費を申請する側にとっては領収書を発行する手間が省け、経理担当にとっては紙の領収書を受け取ったり保管する必要がなくなりますので、どちらにもメリットがあります。

また、会社へ出勤する際に通勤手当を支給していることもあるかと思いますが、ICカード履歴を読み取ることで、出張時に定期区間内を利用していた場合は定期支給分のみ除外することもできます。
すでに定期代を支払っているのにも関わらず、出張の際に定期代のルートも含めた交通費を申請してしまうと重複支払いになってしまいますが、このような不正申請を自動で除外できるようになります。

 

ICカード打刻を導入する前に注意すべきことは?

時計と悩むビジネスマン

ICカード打刻は安いコストで導入できるものの、費用面で選ぶのではなく、ほかのシステムと連携できるかどうか確認しておきましょう。
勤怠管理システムと給与計算システムの連携ができれば、取得した従業員の情報をそのまま給与計算システムに反映でき、労務担当者の業務効率化が進みます。
また、ICカードで打刻できなくなる可能性も考慮して別の打刻方法を用意したり、個人情報となるため取り扱いに注意したりと注意点はさまざまです。
ここからは、ICカード打刻を導入する際の注意点について、詳しく解説していきます。

 

勤怠管理システムと給与計算システムが連携できるか確認する

勤怠管理システムと給与計算システムを連携することで、取得した勤務データをそのまま給与データとして取り込むことができます。
労務担当者による入力の手間を省くことができ、入力ミスを起こすことなく作業効率化を進められるようになります。
給与計算は、従業員の給与となるデータのため、入力ミスを起こしてしまうと企業としての信頼も低下してしまうため、注意しなければなりません。
そのため、勤怠管理システムと給与計算システムが連携できるかどうか、業務クオリティの向上のためにも導入前に確認してみましょう。

 

ICカード打刻以外の打刻手段を用意する

ICカードの紛失や盗難、ICカードの不調時には、打刻ができなくなってしまうため、ほかの打刻ができるように対策しなければなりません。
また、ICカードは、従業員それぞれの情報が入ったもので、再発行にはある程度時間がかかり、企業によっては手続きにも時間を要します。
打刻できないまま時間が立ってしまうと、正しい勤怠情報を忘れるといった問題が発生するので、ICカード打刻以外の手段も用意しておくことが大切です。
そのため、ICカード打刻だけでなく、管理者が勤怠管理システムにログインし、手入力で打刻できるように工夫しておきましょう。

 

交通系ICカードは個人情報になるので注意が必要

交通系ICカードを使用する場合、従業員の退職時にはカードの登録情報を消す必要があります。
交通系ICカードには、それぞれカード番号が振られており、そのカード番号と従業員を結びつけることで打刻が行えます。
勤怠管理システムでは、ICチップに記録されている固有のID番号を読み取るだけで、その他の個人情報は取得しないようになっているものが多いです。
しかし、交通系ICカードの番号も個人情報に含まれると考えられるケースがあり、取り扱いは慎重にしなければなりません。

また、交通系ICカードでは交通履歴も取得できるので、出張などの経費精算のときに交通履歴の証明を出さなくて済むというメリットがあります。
ただし、業務に関係ない交通履歴も把握できてしまうため、従業員からするとプライベートを見られている気分になってしまいます。
そのため、従業員には利用目的をしっかり説明したうえで、退職時にはデータを消していると伝えるようにしましょう。

 

勤怠管理システムは自社の勤務形態に合ったものを選ぼう

勤怠管理システムは、ICカード打刻以外にもPC打刻やGPS打刻、スマホ打刻など、さまざまな打刻方法を用意しています。
まずは、どのような打刻方法が自社に合っているのか、解決したい課題はなにかを洗い出したうえで、導入するシステムを検討しましょう。

では、人数の多い企業様向けに、ICカード式タイムレコーダーを用意しており、手入力による打刻や日報入力などの機能も搭載されています。
スマートフォン打刻やポータル打刻など、複数の打刻方法もあるので、働き方に合わせて柔軟にお選びいただけます。
まずはどのような機能か知りたい方は、トライアルもご利用いただけますので、ぜひお問い合わせください。

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柏倉優

Webマーケティングの経験を経て、2021年6月に株式会社ITCSへ入社。 記事の企画・執筆・デザイン・アクセス解析まで幅広く担当。 皆さんに「それが知りたかった!」と思ってもらえるような情報を提供できるよう、日々勉強しています。

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監修者

近藤敏春

会計事務所系コンサルティングファームにてクライアントの情報システム構築・導入を多数経験。2004年COEL入社後も、基幹系・管理系のシステム導入プロジェクトにPMとして従事。2023年12月より経営管理部長。
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執筆者

柏倉優

資格:Webライティング能力検定 1級
クラウドシステムやソフトウェアの記事作成を中心としてライター歴7年・編集長歴5年の経験を積んだ後、2021年6月に株式会社COELへ入社。
現在はmanageブログの編集長として、人事・総務・経理の業務を効率化するためのお役立ち情報を発信しています。