今すぐできる!予算差異分析の実施方法とよくある失敗例
予実管理を行うためには、収支を記録するのみでは不十分です。企業が健全な経営を続けるには、予算と実績を照らし合わせる予算差異分析が重要です。この記事では、予算差異分析の方法や注意点について解説します。
目次
予算差異分析とは
予算差異分析とは、予算と実績の差額を算出し、予算との乖離がどの程度ひらいたかを確認する分析方法です。予算差異分析を行うときは計算のみで終わらせず、差額が生じた理由を追求しましょう。
適切な予算差異分析を実施することで、経営戦略に役立つ有益な情報を得られます。 予算差異分析は、企業全体で行うときもあれば、製造部門・営業部門などにわけて行うときもあります。商品別や取引先別などといったセグメント分析も有効です。 多角化・細分化するほど詳細なデータを得られ、差額が生じた理由を突き止めやすくなります。
予算差異分析を行うメリット
予算差異分析を実施することで、損失を未然に防いだり、新たな経営戦略の立案ができるようになったりするなど、重要な情報を得られるようになります。
損失を未然に防げる
新しい取り組みを実施するにあたって、なかには損失が出るケースもあります。予算差異分析をこまめに行えば、早い段階で損失に気付けます。そのため、損失が大きくなる前に計画を修正、あるいはストップすることで、損失を最小限に抑えられます。
部門やプロジェクトごとなどの小規模な範囲で予約差異分析を実施すると、予算を圧迫している課題が明確になります。課題をピンポイントで把握することで、効果的な改善策を打つことができます。
経営戦略の助けとなる
予算差異分析で得られたデータは、経営戦略の立案にも生かせます。損失の原因を分析して根本原因を突き止めることで、効果的な経営改善に繋げることができます。 計画を上回る利益が出た場合も、成功のポイントを究明しましょう。
再現性がある方法を発見すると、以降の経営戦略に展開できるかもしれません。 一方、予算差異分析を行わなければ、経営課題に気づけなくなる可能性があります。
予算差異分析の実施方法
ここからは、予算差異分析の実施方法を詳しくご紹介します。
単純比較
単純比較では、実際の利益と予算の差を検出します。単純に金額を差し引きする非常に簡単な分析であるため、多くの企業で採用されています。
ただし、単純比較は詳細な分析には不向きでしょう。差額が大きい場合は、収益差・原価差などで切り分けて詳細な差異分析を実施したほうが効果的な分析ができます。
「単純比較の計算方法」
実際の利益-予算の利益=予算差異
独自の戦略的アプローチによる比較
企業独自のKPIを選定し、予算差異分析を実施する方法もあります。まずはKPIごとに、予算差異分析を実施しましょう。KPIには、新規顧客獲得数・リピート率・解約阻止数・売上高などがあげられます。
たとえば、新規顧客の売上高は、下記の計算方法で算出できます。 差異が大きい場合は、式を構成する項目別にどこで差異が発生しているのかをチェックしていくことで、改善すべきポイントがわかります。
「新規顧客の売上高の計算方法」
新規顧客の売上高=営業担当者数×営業一人分のリード数×受注率×顧客単価
予算差異分析を行う際の注意点
続いて、予算差異分析を効果的に運用するポイントを紹介します。分析の頻度や用いる数値に気を配り、分析の目的を忘れないようにしましょう。
目的を意識する
予算差異分析は、損失の早期発見や経営戦略立案の手段にすぎません。分析結果を得た時点で納得するのではなく、結果をどのように企業利益に結びけるのか判断することが重要です。KPIの選定、課題の発見、解決策の実行、課題の解決まで実施して、はじめて予算差異分析は成功したと言えます。
定期的な予算差異分析をしていると、分析の目的を見失うケースがあるかもしれません。あらためて予算差異分析の目的を確認し、差異を見逃さないよう注意してください。
現場の視点を重視する
予算差異分析は、各部門の意見を重視してください。予算算定や経営戦略に分析データを生かすには、現場の情報が重要です。
実際とかけ離れた予算を組むと、従業員の負担が重くなったり、余裕がありすぎて無駄な出費が増えたりするリスクがあります。不適切な予算をもとに予算差異分析を実施したとしても、以降の戦略には展開できません。
正確な数値を使用する
予算差異分析に使う数値は、正確でなければいけません。差異がなかった場合も、そもそもの数値が間違っている可能性を疑うべきです。手入力の場合は入力ミスに気をつける、不審な数値は各部門に問い合わせるなどの慎重さが求められます。 ミスを防ぐには、予実管理ツールの導入がおすすめです。
株式会社COELのmanageは、Excelで予算編成したデータをそのまま取り入れて自動集計できるクラウド型の予実管理システムです。事業別の収支グラフや予実内訳明細のリスト化など、予算管理における経営情報を瞬時に可視化できますので、手動計算の手間を省きつつ、正確なデータを把握することが可能です。
定期的に行う
予算差異分析を行うタイミングは、あらかじめ設定しておくとよいでしょう。分析の頻度が多いほど、速やかに損失に気がつけます。多くの企業は予算差異分析を毎月実施しています。
個別の分析データに執着せず、過去のデータを含め総合的に判断しましょう。 分析データをもとに些末な損失を許容できると、計画の見直しや中断の頻度を減らせます。
まとめ
予算差異分析は、経営状況の分析や、戦略の立案に役立ちます。分析データを活用する際は、定期的な実施・数値の正確さ・目的を意識しましょう。効率良く予算差異分析を行うためには、予実管理システムの導入がおすすめです。
株式会社COELのmanageは、必要に応じて予実管理・勤怠管理・経費精算・稟議申請(ワークフロー)などの業務アプリを自由に追加できるクラウド型のERPフロントシステムです。
manage 予実は、Excelのデータを取り込むだけで会社全体の予算や部門別の予算管理が行えます。さらに、得意先別や事業部別の予実分析も可能ですので、即座に経営状況を把握し、早期改善に取り組むことができます。
30日間の無料トライアルも実施しておりますので、予算差異分析でお悩みの際には、お気軽にご相談ください。
ManageOZO3編集部
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