公開日:2023/04/27
最終更新日:2024/06/13

ワークフローのクラウド型とは?費用から注意点まで徹底解説

ワークフローのクラウド型

クラウド型ワークフローは、オンプレミス型に比べると管理が簡単で、費用感も安く済みます。
アップデートやセキュリティ対策、障害対応はシステム販売会社が対応してくれるため、運用管理に手間取りません。
しかし、自社で決めているセキュリティルールに沿っていないと不安が残る・すでに導入しているシステムと連携ができないなどの課題もあります。
本記事では、クラウド型ワークフローとはなにか、メリットや注意点、選び方まで網羅的にご紹介していきます。

そもそもワークフローとは?

ワークフローとは、業務において必要となる備品購入や契約締結前の承認伺い、報告書の回覧といった流れのことです。
例えば、新しくシステムを契約したいとき、基本的に従業員の独断では契約ができないため、上司に許可をもらう必要があります。
このときに発生する申請書の作成や承認作業といった流れがワークフローと呼ばれています。
ワークフローは、業種を問わずにさまざまな業務を行ううえで発生するため、社内文書を電子化させるならワークフローから取り掛かるのがおすすめです。

 

ワークフローシステムのクラウド型とは

ワークフローの流れ

ワークフローシステムは、クラウド型とオンプレミス型があり、近年主流となっているのはクラウド型です。
ワークフローシステムでは、申請書作成や承認経路設定、承認作業といった機能を搭載し、ワークフローを簡略化できるように作られています。

また、クラウド型では、利用者設定をするだけで導入できるので、専門的な知識がなくても発行されたIDでログインすればすぐに利用できます。
さらに、アップデートやセキュリティ対策などをシステム販売会社が対応してくれるため、システムエンジニアがいない会社でも利用しやすいのが特徴です。

 

クラウド型とオンプレミス型の違い

クラウド型は、インターネットが繋がっていれば場所を問わずに利用でき、スマートフォンやタブレット、自宅回線からもアクセス可能です。
オンプレミス型は、自社のサーバーに製品を組み込んで運用するため、サーバー管理やセキュリティ対策などはすべて自社で行います。
システムは買い切りとなるので月額費用はかかりませんが、実際はサーバー代と管理する人件費がかかります。
ただし、セキュリティ対策は自社の規定に合わせて行えるため、クラウド型よりも安心できるといった違いがあります。

 

クラウド型ワークフローの費用相場

初期費用 月額相場(1ユーザー)
0~30万円 300~500円

クラウド型ワークフローの費用相場は、初期費用0円~30万円ほどで、導入サポートやカスタマイズなどが充実していると高額になります。
多くのシステムは無料で提供していますが、追加のオプション料金があったり、サポートがない場合があるので、注意が必要です。
また、ランニングコストは1ユーザーあたり300~500円ほどで、搭載されている機能に応じて値段に違いがあります。
さらに、製品によっては、最低利用人数が決まっており、大人数での利用なら割引されることもあります。

 

クラウド型を利用するメリット

業務をDX化

クラウド型ワークフローでは、メンテナンスやアップデートはシステム販売会社が対応してくれます。
障害発生時にも解決を任せられるため、専門的な知識を持っていなくても安心して利用できます。
また、オンプレミスのように自社サーバーに製品を組み込む必要はなく、安価で始められるのも魅力です。
さらに、インターネットさえあればどこでも利用できるので、導入が簡単となり、すぐにでも利用したい方におすすめです。

 

メンテナンスやアップデートは対応してもらえる

メンテナンスやアップデートは、システム販売会社が対応してくれるので、専門的な知識を持った従業員による対応は不要です。
オンプレミスの場合、自社で稼働状況を監視する必要があるため、知識のある従業員が対応しなければなりません。
さらに、アップデートを行うたびにまとまった改修費が必要になるため、クラウド型に比べるとコストがかかりやすいことがあります。
しかし、クラウド型だと稼働状況の監視はシステム販売会社が行ってくれるので、従業員はコア業務に集中できます。

 

障害発生時も任せられる

クラウド型ワークフローでは、障害発生時にも製品を熟知した専門家が速やかに対処してくれるため、安心して運用できます。
オンプレミスの場合、サーバー障害が発生すると、復旧作業に時間を取られてしまいます。
コア業務に集中できないだけでなく、最悪の場合は重要な仕事に影響を及ぼしてしまうこともあるでしょう。

しかし、クラウド型なら障害対応はシステム販売会社に任せられるので、自社の業務に集中できます。
人手不足の企業も多いため、自社のリソースが足りていない・自社では対応しきれない場合には、クラウド型を検討してみてください。

 

自社サーバー不要で安価で始められる

初期費用がかかることもありますが、月額費用は1ユーザー300円からと安価で導入できるのが特徴です。
契約人数が多い場合、さらに割引してくれる会社もあるため、オンプレミスよりも低コストで利用できます。しかし、大企業かつ数千人規模で利用する場合には、オンプレミスのほうがお得なケースもあります。
利用するユーザー数が多い場合、1ユーザーあたりの料金を毎月支払うより、最初にシステム構築費を支払って自社で運用したほうが安く済みます。
利用人数と照らし合わせて、クラウド型とオンプレミス型のどちらがお得になるか検討してから導入しましょう。

 

インターネットさえあればすぐに利用できる

クラウド型の場合、インターネットに繋がっている環境であれば、すぐに利用できるのが魅力です。
オンプレミスだと、自社サーバーで構築しているため、会社もしくは社内ネットワークに繋がっている環境でないと利用できないことが多いでしょう。
しかし、クラウド型だとスマートフォンやタブレット、自宅のネット環境などさまざまな場所で利用でき、多様化する働き方に対応可能です。
そのため、テレワークや営業で外出の多い従業員がいる会社なのであれば、クラウド型のほうが利用しやすくなっています。

 

クラウド型ワークフローの注意点

悩むビジネスマン

クラウド型ワークフローだと、セキュリティはシステム販売会社に任せることになるので、会社によっては導入できない場合もあります。
さらに、既存システムと連携できない可能性があるため、DX化を進めたいと検討しているなら、連携できるかの確認も重要です。
また、ランニングコストがかかるので、大企業だとオンプレミスのほうがお得になることがあります。
ワークフローシステムを導入するなら、自社にとってクラウド型のほうがメリットかどうか、費用だけでなくセキュリティや稼働率の安定性も考慮して判断しましょう。

 

セキュリティ対策に不安が残る

クラウド型では、システム販売会社のセキュリティ対策に任せきりとなるので、どのような対策を行っているのか事前に確認しましょう。
まず、自社でクリアしてほしいセキュリティの基準を満たしているかどうか、もし情報漏えいが起きた際にはどのように対処するのかを確認します。
システム販売会社によっては、セキュリティの規格であるISOやプライバシーマークのPマークを取得している会社もあります。
検討段階で、セキュリティ対策はどうしているのか、関連する規格を取得しているのか確認することが大切です。

 

自社システムとの連携ができないことも

すでに自社で導入しているシステムと、連携ができないことがあるため、事前に連携できるのかどうかの確認が必要です。
ワークフローシステムは、文書管理システムや経費精算システムなどと連携させることで、よりDX化が進みます。
働き方改革により、テレワークや時短業務といった、さまざまな働き方が推奨されているため、ノンコア業務はできるだけ効率化を進める必要があります。
もし、連携させたいシステムがあるのであれば、APIを使って連携できるのか、自社で導入しているシステムと連携できるのか確認しましょう。

 

ランニングコストがかかる

クラウド型だと、導入時だけでなく毎月コストがかかってしまいます。
ただ、クラウド型はオンプレミス型に比べると小規模で利用するのであれば、低価格で導入ができます
理由としては、オンプレミスだと、システム構築に多額の費用がかかり、その後もサーバー運用や監視などの人件費がかかるためです。
しかし、大企業で利用者数も多いのであれば、オンプレミスのほうが低コストで利用できることがあります。
ただし、社内エンジニアのリソースに余裕がないと従業員に負担をかけてしまうため、自社にとって最適な方を選びましょう。

 

クラウド型ワークフローの選び方

パソコンとチェックマーク

クラウド型ワークフローは多くの会社が販売しており、基本的な機能は同じですが、細かい操作性が異なります。
そこで、導入を検討しているのであれば、まずは自社の課題を洗い出し、どのような機能が必要なのかを洗い出しましょう。
次に、ワークフローに欠かせない承認経路を柔軟に設定できるのかどうか、申請書・金額ごとに変えられるかも確認しておくと安心です。
また、無料トライアルを提供している会社もあるので、気になる製品があれば、実際に操作してみて、扱いやすいか確認するのもおすすめします。

 

自社の課題を洗い出す

●会社にいないとワークフローの申請・承認ができない
スマートフォンやタブレットに対応したワークフローシステムが必要
●今の申請書をそのまま電子化したい
フォーム作成機能で今と同じ申請書を作れるものや、Excelをそのまま取り込んで電子化できるワークフローシステムを選ぶ
●ほかシステムと連携してDX化を進めたい
どの文書を連携させたいのかに合わせて、文書管理や経費精算、勤怠管理といった、ほかのシステムとの連携に対応した製品が必要

どのような課題を持っており、どのように改善していきたいのかによって、製品の選び方が異なるので、まずは自社の課題を洗い出しましょう。
ワークフローシステムは、多くの製品で基本的な機能は同じですが、細かい設定や申請書の作成方法などに違いがあります。
さらに、文書管理や経費精算、勤怠管理システムとの連携も、製品によって対応方法や連携できるかどうかは異なります。
そのため、改善したい課題をもとに、どのような機能や設定が必要かどうか、しっかりと判断して検討しましょう。

 

承認経路の設定を確認する

承認経路の設定は、どのシステムにも搭載されていますが、製品によっては申請書ごとに経路が変えられないものもあります。
さらに、金額ごとに承認者を自動で変えるように設定できるかどうかも、製品によって異なるため、自社の承認ルールに対応できるかが重要です。
高額な契約や物品を購入する際には、通常の承認者以外に課長や部長、なかには社長承認をもらう必要が出てくるでしょう。
承認経路の設定が自由にできない場合、せっかく導入しても活用できる場面が限られてしまいます。

 

無料トライアルを活用する

多くの製品では、無料トライアルを提供しているため、操作性や柔軟性の違いを判断する目的で活用してみましょう。
無料トライアルは、管理者だけでなく実際に操作する従業員にも扱ってもらうほうが、より自社にとって適切かどうか判断できます。
部署ごとに数名の従業員を選出して、実際にトライアルを活用してもらい、使い勝手がいいかどうか判断してもらいましょう。

また、無料トライアルは1社だけでなく、比較する目的としても、3社以上で行うことがおすすめです。
1~2社だと、どちらかを選ぶといった判断になってしまうので、必ず3社以上の複数の製品をトライアルしてみましょう。

 

クラウド型ワークフローで業務を効率化しよう

クラウド型ワークフローには、導入後比較的すぐに利用できる・メンテナンスは任せられる・低コストで利用できるなど、豊富なメリットがあります。
さらに、スマートフォンやタブレット、自宅でも利用できるので、導入することで生産性向上や業務改善に繋がります。
しかし、企業の規模や利用者数によっては、オンプレミス版のほうがお得になることもあるため、自社の課題や予算などトータルで判断しましょう。

弊社の提供するmanage ワークフローは、1ユーザー500円から提供しており、申請書の作成上限はなく、承認経路も柔軟に設定が可能です。
承認経路は、パズル感覚でボックスをドラッグアンドドロップするだけで利用できるので、視覚的に操作ができます。
さらに、エクセルで作成した申請書をそのまま読み込んで申請できるため、新しく申請書作成方法を覚える必要もありません。
30日の無料トライアルをご用意していますので、クラウド型のワークフローを検討している方はぜひお問い合わせください。

無料トライアルはこちら
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柏倉優

Webマーケティングの経験を経て、2021年6月に株式会社ITCSへ入社。 記事の企画・執筆・デザイン・アクセス解析まで幅広く担当。 皆さんに「それが知りたかった!」と思ってもらえるような情報を提供できるよう、日々勉強しています。

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監修者

近藤敏春

会計事務所系コンサルティングファームにてクライアントの情報システム構築・導入を多数経験。2004年COEL入社後も、基幹系・管理系のシステム導入プロジェクトにPMとして従事。2023年12月より経営管理部長。
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執筆者

柏倉優

資格:Webライティング能力検定 1級
クラウドシステムやソフトウェアの記事作成を中心としてライター歴7年・編集長歴5年の経験を積んだ後、2021年6月に株式会社COELへ入社。
現在はmanageブログの編集長として、人事・総務・経理の業務を効率化するためのお役立ち情報を発信しています。