公開日:2023/08/30
最終更新日:2024/06/13

中小企業の抱える経費精算の課題とは?システム化のメリットをご紹介

経費精算の課題

中小企業では、経理担当者の人数が少なく業務が属人化しており、担当社員がいないと業務が進まないという課題を抱えています。
ほかにも、小口現金でのやり取りが多く手間になっていたり、紙による領収書や経費精算書の管理が多く、業務効率化が進まないことも懸念事項です。
しかし、経費精算システムを導入することで、ナレッジが蓄積しやすく、テレワークへ対応やAI-OCR機能の活用で領収書の電子化ができるなど、業務効率化が進みます。
本記事では、中小企業が抱える経費精算の課題から、経費精算システムを導入するメリット、選ぶ際のポイントまで詳しく解説していきます。

中小企業が抱える経費精算の課題

中小企業の場合、経理担当者の人数が少ないということが多く、業務が属人化してしまっていることがあります。
ベテランの経理担当者がいなければ経費精算の処理が進められないこともあり、承認作業が滞ってしまうといった問題が起こりがちです。
また、経費精算の支払いが現金でのやり取りとなっていることもあり、日々残高確認や小口現金の管理といった手間も発生します。
さらに、紙の領収書や経費申請書を管理するとなると、確認や管理に手間が発生してしまい、業務効率化が進まないこともあります。

 

経理担当者の人数が少なく属人化している

多くの中小企業の場合、経理担当は少人数で運用していることがあります。
その結果、特定の経理担当者がいないと業務が進まないことも多く、業務が属人化してしまっているのが課題です。
たとえば、イレギュラーの対応が必要となる経費精算が発生した場合、ベテランの従業員は過去の経験をもとに対応するため、マニュアルを残していないことがあります。
この場合、経験の浅い従業員だと、どうすればいいかわからずにただ時間ばかりがすぎてしまい、業務が滞ってしまいます。

すぐにベテラン従業員に確認が取れる環境ではなく、個人で業務を進めている場合、コミュニケーション不足の発生ですぐに解決できないこともあるでしょう。
何かあった時のために、FAQやナレッジの蓄積を行っていなければ、業務がブラックボックス化しやすく、イレギュラー時にはすぐに解決できません。
そのため、企業としては経理担当者の人数が少なくても、スムーズに業務を回せるようにマニュアルの強化やナレッジの蓄積を行う必要があります。

 

現金でのやり取りが発生し手間になる

中小企業の場合、交通費や備品購入費といった小口現金で支払える金額のものであれば、現金の手渡しを行っている企業も多いのではないでしょうか。
小口現金を会社で管理するとなると、正しい残高か管理が必要であったり、現金が少なくなっていれば銀行へお金を下ろしに行ったりと経理担当者の手間が増えます。
もし、残高が足りない・多いなど、差額が発生した場合には、どこで間違いが起きたのか確認が必要となるため、余計な手間がかかります。

現金管理となると、セキュリティ管理も正しく行う必要があるため、管理するだけでも非常に時間がかかってしまうでしょう。
企業によってルールは異なるため、小口現金の管理をしないとするのではなく、効率化できる業務から改善し、手間を最小限にすることが大切です。

 

紙の管理で業務効率化が進まない

経費精算書や領収書を紙で管理する場合、経理担当者が手作業や目視で確認を行い、問題なく処理されたのちに、紙の文書を保管するのが流れです。
経理担当者が手作業で確認を行うとなると、記載されている内容にミスがないか・領収書が全て提出されているか確認するのに時間がかかります。
さらに、領収書は保管方法が悪いと文字が滲んでしまい読みにくいこともあるため、確認が面倒になりがちです。

ほかにも、紙の受け渡しが必須となるため、経理担当者は在宅ワークができずに、必ず出社が必要となります。
このように、紙による管理が発生すると、思ったような業務効率化が進められないため、経理担当者の負担軽減ができないのが課題です。
そのため、経費精算システムの導入を行うなど、紙ではなく経費精算に関する業務を電子化できるような取り組みを行う方が業務効率化は進むでしょう。

 

中小企業が経費精算システムを導入するメリット

システムとお金

中小企業が経費精算システムを導入することで、申請者は場所を問わずに経費精算の申請ができるようになります。
領収書に関しては、経費精算システムに搭載されているAI-OCR機能を活用すると、紙ではなく電子データとして提出できます。
さらに、交通系ICカードと経費精算システムを連携できれば、申請書作成の手間を省けるだけでなく、経理担当者の確認業務も削減が可能です。
このように、経費精算システムを導入することで、業務効率化を進めるだけでなく、経理担当者の負担も軽減できるのが大きなメリットといえます。

 

申請者は場所を問わずに申請できる

経費精算システムがあれば、インターネットさえ繋がっていればどこでも利用できるため、申請者は場所を問わずに経費精算の申請を行えます。
出張先からでも、手軽に経費精算を行えるようになるため、申請業務が滞ることなく、速やかに行えるのがメリットです。
経理担当者としても、月末にまとめて経費精算をされるより、早めに提出してもらえれば業務が集中せずに業務効率化が進みます。
月末が繁忙期となりがちな経理担当者の負担も軽減しつつ、経費が発生したタイミングですぐに申請できる環境が構築できれば、業務改善にもなるでしょう。

 

領収書はAI-OCR機能の活用で電子化できる

経費精算システムには、AI-OCR機能を搭載しているものもあり、スマートフォンやカメラで領収書を撮影するだけで電子化できます。
電子化された領収書は、経費精算システムに登録することで、電子データとして提出が可能です。
紙の領収書は提出する必要がなくなるので、経理担当者は紙による管理を行う必要はありません。

さらに、領収書を電子データで提出できれば、紛失するリスクも減り、領収書が劣化により読みにくくなるといったこともなくなります。
申請者側だけでなく、経理担当者の確認・管理の手間も省けるようになるので、経費精算に関する業務の多くの課題を改善できます。

 

交通系ICカード連携で入力・確認の手間を省ける

交通系ICカードと経費精算システムを連携できれば、交通費が発生した際の入力や経理担当者の確認の手間を省けます
具体的には、交通系ICカードのデータはシステム上に自動で登録されるので、交通費精算を行う際には申請したいものを選ぶだけで完了します。
申請者は、どのルートで出張に行ったのか忘れてしまったとしても、システム上に実際のルートが記録されているため、入力ミスを起こすことはありません。

さらに、申請者が実際に使ったルートが記録されるので、経理担当者は交通ルートや金額の確認をする手間も省けます。
また、定期区間は除外して交通費を算出できるため、重複して交通費を支払ってしまったという問題も起きません。
交通費精算はどの従業員でも発生するものなので、自動化できればより経費精算における業務の多くを効率化できます。

 

経費精算システムを選ぶ際のポイント

会議するビジネスマン

経費精算システムを選ぶ際には、自社にとって必要な機能だけが揃っているのかどうか必ず確認しましょう。
また、より業務効率化を進めたいのであれば、経費精算システムと他のシステムが連携できるかどうかも確認が重要です。
実際に経費精算システムを選ぶのであれば、複数社から見積もりをもらい、無料トライアルやデモを利用して、使用感についても必ず確認しましょう。
ここからは、経費精算システムを選ぶ際のポイントについて解説していきます。

 

自社にとって必要な機能が揃っているか

経費精算システムを選ぶ際には、自社にとって必要な機能が揃っている、使いやすい製品かどうか見極めることが重要です。
機能の豊富な製品は魅力的に思えますが、自由度が高すぎる製品だとかえって扱いにくい場合があります。
たとえば、設定できる項目が多い製品だと、導入に非常に時間がかかってしまったり、どのように設定すれば最適なのかを見極めるだけで時間がかかります。

ほかにも、実際に導入してみたものの使わない機能が多かった場合、使いたい機能を探すのに時間がかかる・どこにあるのか探すのが面倒などの問題が起きがちです。
そのため、経費精算システムを選ぶのであれば、課題解決のために必要な機能が揃っており、シンプルな画面設計となっている製品を選ぶようにしましょう。

 

ほかのシステムとの連携ができるか

経費精算システムは、会計システムと連携できれば、より効率的に業務を進められるようになります。
たとえば、経費精算システムで承認した経費の支払い情報を、会計システムへ自動で転記できれば、手入力する必要はありません。
システム同士の連携性が高まれば、業務をDX化でき、手作業による業務を大幅に減らすことが可能です。
人手不足が加速する現代では、業務のDX化は非常に重要となるため、現在導入しているシステムやこれから導入予定のシステムと連携ができるかも確認しましょう。

 

無料トライアルやデモを利用する

多くの経費精算システムが発売されており、どの製品も搭載されている機能に大きな違いはありません。
しかし、実際の操作画面や機能の細かい設定などは異なるので、製品を触ってみないと使いやすいかどうか判断するのは難しいです。
自社にとって必要な機能が揃っており、他のシステムとの連携性が良い製品だとしても、実際に使ってみると思ったような操作感ではないことがあります。
経費精算システムを導入する際には、必ず無料トライアルやデモを利用して、実際に利用する従業員でも操作しやすいのかどうか必ず見極めましょう。

 

中小企業におすすめの価格帯と便利な機能

コストカットするビジネスマン

経費精算システムといってもさまざまなものが発売されており、どういった基準で選べばいいのか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
費用面や機能面で選んでしまうと、実際に使ってみたら思ったように活用できずに、従業員からも評判があまり良くないといったことが起こります。
そこで、中小企業におすすめの経費精算システムの便利な機能としては、AI-OCR機能やスマートフォンから経費申請・承認できるものがあります。
ここからは、中小企業におすすめの経費精算システムの平均相場とおすすめ価格帯と、機能についてご紹介します。

 

経費精算システムの平均相場とおすすめの価格帯

平均相場 おすすめ価格帯
初期費用 10~20万円 10万円~
月額費用 500円/1ユーザー 300円~/1ユーザー

経費精算システムのクラウド型の平均相場は、初期費用は10~20万円、月額費用は1ユーザーあたり500円ほどとなっています。
初期費用には、導入サポート費用が含まれていることもありますが、比較的安い費用で提供されていることが多いです。

経費精算システムのクラウド型のおすすめ価格帯としては、初期費用は10万円から、月額費用は300円~/1ユーザーとなっています。
理由といたしましては、初期費用が0円のものだと、導入サポートがない・マニュアルを渡されただけで詳しい説明を受けられないことがあります。
そのため、充実したサポートを受けたいのであれば、ある程度初期費用が必要となる製品のほうが導入しやすいでしょう。

また、月額費用は高いものだと1ユーザー当たり800円ほどの製品もありますが、安いものであれば300円ほどで提供されています。
最低利用人数が決まっている製品も多く、従業員数が多くなるほど割引されることもあります。
書かれている費用とは異なることも多いので、気になる製品があれば、自社が導入したい従業員規模でどれぐらいの費用がかかるか見積もりを取得してみましょう。

 

おすすめ機能①:AI-OCR機能で領収書を電子化

AI-OCR機能は、スマートフォンのカメラで領収書を撮影し、そのデータを経費精算システムに送ることで、経理担当者へそのままデータを渡せます。
電子データとして申請から保管まで行えるため、紙による保管の必要はなくなり、効率的に経費申請を行えます。
具体的には、領収書を取得したタイミングですぐに写真撮影をしておくことで、スムーズに経費精算システムで申請書を作成できます。

出張の多い従業員の場合、領収書の数も多くなるので、毎回領収書を経理担当者に提出するのは非常に手間です。
経費精算システムによっては、複数枚の領収書を同時に撮影できるものもあるので、効率的に経費精算が行えるでしょう。

 

おすすめ機能②:スマートフォンから経費申請・承認

スマートフォンから経費申請・承認に対応している経費精算システムであれば、経費精算が発生したタイミングにすぐに申請書を作成できます。
営業部署の従業員だと、会社に出社する機会が少なくほぼ社外にいることが多いので、経費精算が多く発生します。

具体的には、交通費の場合は領収書の提出義務はありませんが、接待費では必ず領収書を取得し、経費精算のタイミングで提出する必要があります。
そのため、手軽にスマートフォンから申請できれば、パソコンを開く必要がないので、移動中などに手軽に申請業務を進めることが可能です。
経費申請の場合、金額に応じて従業員の上長が確認するため、承認作業もスマートフォンからできれば、経理担当者までスムーズに申請書が届きます。

 

経費精算システムの導入時の注意点

虫眼鏡で注意点を見る

経費精算システムを導入する際には、サポート体制が充実しており、困った時には電話や対面でサポートを受けられるのか確認しましょう。
また、導入前にはシステム化に向けて社内ルールを見直す必要があるので、リソースに余裕があるタイミングで行うことも大切です。
紙による経費精算を行っていた場合とシステム化した後では、実際に申請書の作成方法から承認作業の方法は異なります。
承認ルートの見直しも必要になる可能性があるため、ここからは、具体的に導入前に何をしなければならないのか解説していきます。

 

サポート体制が充実しているか確認

経費精算システムを導入する際には、初期設定や自社のルールに合わせた設定をする必要があるので、困った時にサポートしてもらえるかどうかの確認は必要です。
クラウド型の場合、ログインすればすぐ使えるように思いますが、実際には会社情報の設定や利用する従業員の登録作業が発生します。

初めてシステムを導入するとなると、どのように設定すればいいのかわからない・項目がどこにあるかわからないという問題に直面するでしょう。
サポート体制が充実していない製品だと、マニュアルを渡されて終わりということは起こりがちなので、電話や対面でサポートを受けられるか確認しましょう。

 

導入前にはシステム化に向けて社内ルールを見直す

経費精算システムを導入するとなると、紙で行っていた時のルールとは異なるので、社内ルールを新しく見直しましょう。
領収書は必ず電子データとして提出する・紙の領収書は提出義務がないので各自保管してもらうなど、細かく設定が必要です。
ほかにも、経費精算書の申請を出した際の承認ルートも設定が必要となるので、部署ごとに新しく承認ルートを決めておくようにしましょう。

また、経費精算システムを利用する従業員向けに、マニュアルを作成することで、経理担当者への問い合わせを最小限に抑えることができます。
新しいシステムを導入した後は、非常に問い合わせ数も増えるため、事前に利用者マニュアルを作成し、経理担当者の負担が大きくならないようにしましょう。

 

経費精算の悩みはシステム化で解消できる!

人手不足が発生している中小企業の場合、経理担当者の数も少なく、月末に申請書が多く届いてしまうとなると、確認に非常に時間がかかります。
処理した経費精算書の保管や、現金でのやり取りが発生してしまうと、管理や人件費にコストがかかりがちです。
経費精算システムがあれば、申請書や領収書は電子化でき、出社していなくても申請から承認作業が行えるため、業務効率化が進みます。

さらに、経費が発生したタイミングで従業員が申請するようになれば、経理担当者の業務が月末に集中することも減るでしょう。
経費精算に関わる業務は、お金を扱うため経理担当者の負担は非常に大きいですが、経費精算システムがあれば、多くの業務は自動化でき、負担軽減につながります。

弊社の提供するmanage 経費精算では、AI-OCR機能を搭載しており、領収書は複数枚の撮影が可能です。
撮影されたデータは、自動で2つの領収書として分割できるので、効率的に経費申請業務を行えるようになっています。

交通系ICカード連携にも対応しており、定期区間内を除外して交通費精算ができるため、二重申請してしまうことはありません。
経理担当者としても、交通区間や費用の確認に時間を取られることもなく、確認作業を省けるようになります。
実際にどのような使い勝手なのか知りたい方向けに、無料トライアルをご用意しておりますので、経費精算にお悩みの方は是非ご相談ください。

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柏倉優

Webマーケティングの経験を経て、2021年6月に株式会社ITCSへ入社。 記事の企画・執筆・デザイン・アクセス解析まで幅広く担当。 皆さんに「それが知りたかった!」と思ってもらえるような情報を提供できるよう、日々勉強しています。

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監修者

吉田薫

資格:元全日本能率連盟認定マネジメント・コンサルタント
銀行員、コンサルティングファーム、会計系FASなどを経て2021年株式会社COEL入社、経営企画室長。
これまでに戦略、業務改善、財務、情報システム、M&A、リスクマネジメント、CSRなど幅広い業務・テーマに従事。
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執筆者

柏倉優

資格:Webライティング能力検定 1級
クラウドシステムやソフトウェアの記事作成を中心としてライター歴7年・編集長歴5年の経験を積んだ後、2021年6月に株式会社COELへ入社。
現在はmanageブログの編集長として、人事・総務・経理の業務を効率化するためのお役立ち情報を発信しています。