工数管理と勤怠管理の一元化で業務効率化を実現!
勤怠管理だけでは従業員の生産性まで詳しく把握できないため、工数管理を行う企業が増えてきました。
これは、働き方改革の推進やコロナ禍によりテレワークが進み、これまで以上に従業員の業務内容やかかっている負担が見えにくくなってきたためです。
そこで、工数管理で従業員の生産性を可視化しつつ、勤怠管理と一元化することで、業務を効率化することが可能です。
本記事では、工数管理と勤怠管理を一元化するメリットや運用方法についてご紹介していきます。
目次
勤怠管理だけでは生産性を把握できない
テレワークの普及により、従業員の生産性がより把握しにくくなったため、業務内容や進捗の可視化に取り組む企業が増えてきました。
このとき、勤怠管理で把握しようとしても、どのプロジェクトにどれだけの工数がかかっているかまでは把握できません。
これは、勤怠管理では、出退勤の記録や有給、残業時間の把握といった機能はあるものの、業務内容ごとの工数記録に対応したものがないためです。
そのため、勤怠管理ではなく工数管理を別に用意し、従業員ごとの生産性や業務負担の内容など、確認していく必要があります。
工数管理と勤怠管理を一元化するメリット
工数管理を行う最大の目的は、プロジェクトごとの労務費を算出することで、しっかりと原価管理を行えることです。
原価管理とは、1つのプロジェクトにかかる労務費や経費、材料費などから受注額を引き、どれくらいの利益が出ているのかを把握することをいいます。
このとき、工数管理により正確な労務費を算出することで、より精密な原価管理を行うことが可能です。
しかし、工数管理と勤怠管理を別々で行ってしまうと、実際の工数と勤務時間で整合性が取れなくなり、正確な原価管理が行えなくなります。
プロジェクトにかかった工数と勤務時間が一致する
本来であれば従業員それぞれの勤務時間と工数は一致するため、もし別々に管理してしまうと精度が下がってしまう可能性があるため、注意が必要です。
例えば、あとから勤務時間と工数を集計したときに、1日の勤務時間は8時間だったのに対して、実際の工数は6時間になっていることがあります。
基本的に、従業員は就業時間内であれば何らかの業務を行っているため、1ヶ月で換算すると60時間もの工数の差が生まれます。
もし、休憩や雑務などを行っていた場合でも労務費となるため、「その他」という項目で管理を行い、工数として換算することが大切です。
勤怠と工数を同時に入力できるので手間を省ける
勤怠と工数を別々で管理した場合、それぞれのシステムに入力しなければいけないため、ログインのし直しといった手間が発生します。
しかし、勤怠と工数を同時に入力できれば、入力の手間を省きながら、やり忘れの防止にもつながるのがメリットです。
具体的には、退勤を入力するタイミングで、作業にどれだけの工数をかけたか入力させることで、毎日の作業としてルーチン化できます。
この方法なら、工数の入力し忘れが無くなるため、後日入力しようとしたときに業務内容を思い出せないといったことは起こりにくくなります。
勤務時間と工数をリアルタイムで把握できる
勤務時間と工数をリアルタイムで把握できるため、予想されている労務費の原価との差異を可視化できます。
実際の勤務時間とプロジェクトごとの工数をリアルタイムで把握すれば、プロジェクトの途中でも現状の原価を把握可能です。
そのため、予想以上に原価のかかっている箇所を速やかに修正でき、月次の集計時に「予想以上に赤字になってしまった」という事態を回避できます。
工数管理と勤怠管理を一元化するためには?
- 工数管理と勤怠管理がセットになったシステムを導入する
- 工数管理と勤怠管理システムを連携する
工数管理と勤怠管理を一元化するためには、セットになっているシステムの導入や、連携させて管理を行うといった方法があります。
工数管理と勤怠管理システムが1つになったシステムであれば、導入の手間が少なく覚える操作も少ないですが、細かな機能面では劣る可能性があります。
また、システム連携によって一元化できるものは、導入や初期費用がかかるものの、それぞれに特化した機能を持っているため、自由度は高くなっています。
ここからは、それぞれのメリット・デメリットについて詳しく解説していきます。
工数管理と勤怠管理がセットになったシステムを導入する
おすすめ度:★★★
導入の手間:★★★
導入の費用:★★★
工数管理と勤怠管理がセットのものは、まだシステムを導入しておらず、工数管理と勤怠管理の一元化を考えている方におすすめです。
導入のための手間がかからず、コストも最小限に抑えられるだけでなく、複数のシステムの操作を覚える必要もありません。
メンテナンスも簡単で、組織変更や法改正によってルールが変わったとしても、1回の設定変更で反映できます。
ただし、システムによって工数管理や勤怠管理以外の必要ない機能も全てついてくるものと、必要な機能だけを自由に追加できるものの2パターンが存在します。
例えば、導入したいのは工数管理と勤怠管理だけなのに、セット内容にワークフローや経費精算も入っているためコストが割高になってしまうことがあります。
そのため、必要な機能だけを追加できるシステムであれば、無駄なコストをかけずに導入できます。
弊社が提供しているシステムは工数管理や勤怠管理など、複数の機能を必要なだけ追加できます。
工数管理と勤怠管理システムを連携する
おすすめ度:★★★
導入の手間:★★★
導入の費用:★★★
工数管理と勤怠管理システムを別々で導入してシステム間連携させる場合は、システムの選定や設定、初期費用などが2倍かかります。
ただし、それぞれに特化した機能が備わっているシステムを導入できるので、自由度が高いため、より充実した機能で工数管理したい方におすすめです。
すでに工数管理を行っていて、月次に予定原価と実際原価を比較したいといった、高度な分析などを行いたい場合は検討してみましょう。
工数管理と勤怠管理を一元化した場合の運用方法
工数管理と勤怠管理を一元管理で運用する場合、プロジェクトごとにコード作成を行い、管理していきます。
その後、勤務時間の合計をそれぞれのプロジェクトに割り振りを行い、どれにどのくらいの工数をかけているかを把握します。
その後、プロジェクトごとの工数を確認し、従業員の負担や原価が大幅に増えていないかを確認するのが一連の流れです。
ここからは、実際に工数管理と勤怠管理を一元化した場合の実際例をご紹介します。
STEP.1まずはプロジェクトコードを作成する
取引先と案件内容 | プロジェクトコードの作成例 |
---|---|
ABC建築会社へのコンサルティング | ABCCON01 |
工数管理はプロジェクト単位で行っていくため、まずは案件ごとにプロジェクトコードの作成を行っていきます。
このとき、プロジェクトコードは自由に作成できるため、わかりやすい任意のコードを作成します。
例えば、取引先ごとに作成することが多いので、取引先名と業務内容がわかるようなコードが良いでしょう。
また、年を跨ぐプロジェクトの場合、システムによっては1年毎にプロジェクトコードを新しくする必要があるため、管理しやすいコード作成が重要です。
STEP.2勤務時間の合計をそれぞれのプロジェクトに割り振る
プロジェクトコード | ABCCON01 | DEFMNT01 |
---|---|---|
作業時間 | 05:00 | 03:00 |
勤務時間 | 08:00 |
工数管理と勤怠管理がセットになっていれば、退勤を押したときに確定した勤務時間をもとに、どの業務にどれだけ工数がかかっているか入力できます。
そのため、勤務時間と一致した工数管理が可能になり、精度の高い原価管理を行えます。
また、退勤するときの手順として工数の入力を組み込むことで、別々で作業する手間を減らしつつ、入力のし忘れを防止可能です。
工数管理は従業員の生産性向上のために行うものでもあるため、入力の手間もできるだけ削減しなければなりません。
STEP.3どのプロジェクトにどれだけの工数がかかったか確認する
作業内容 | 主管部門 | 予定期間 | 参加者 | 参加人数 | 工数 |
---|---|---|---|---|---|
ABCCON01 | コンサルティング部 | 2022/11/01~11/30 | 山田太郎 鈴木花子 田中一郎 |
3人 | 14h |
DEFMNT01 | コンサルティング部 | 2022/11/01~11/30 | 鈴木花子 田中一郎 |
2人 | 7h |
実際にかかった工数が入力されることで、管理者はどの作業にどれだけ時間がかかっているのかを把握できます。
さらに、参加人数と工数の比較ができるため、プロジェクトの案件ごとにかかっているリソースの確認もできます。
工数管理により、「予定よりもプロジェクトが遅延している」「人手不足で従業員への負担が多い」などの課題を浮き彫りにすることが可能です。
STEP.3業務内容ごとの課題を洗い出して改善する
想定より工数がかかっている業務内容があれば、原因を調査して改善することで、スムーズに業務を完了できます。
また、勤怠管理システムには日報機能が備わっているものも多く、併せて使用することで、現場の声を吸い上げやすくなり、速やかに改善可能です。
例えば、工数管理で数値として従業員の状況を把握しつつ、日報機能で実際にどのような点で困っているかを把握できます。
このように、業務内容ごとの従業員の状況を把握できれば、業務改善から生産性向上まで行えるため、工数管理はしっかりと行っていきましょう。
さらに詳しい原価管理の設定方法や運用イメージはこちらの記事を参考にしてください。
工数管理と勤怠管理の一元化で失敗しないためには
手間のかかる方法で工数管理を行ってしまうと、従業員の手間になってしまい、返って業務負担になる可能性があります。
さらに、工数管理を行う目的を従業員が正しく理解しておらず、無理に対応しているようになった場合、工数管理が定着せずに不満の声が上がりやすくなります。
そのため、システムを導入してできるだけ自動化し、入力の手間を省けるようにするのがおすすめです。
さらに、勤怠管理の退勤と併せて工数の入力を行うことで、いつもの作業にプラスするだけで実施できます。
まずは、誰でも扱いやすいようなシステムを剪定し、しっかり定着できるように、スモールスタートから始めてみてください。
manage 工数では、勤怠管理や経費精算、予実管理など、欲しい機能をオプションとして追加可能です。
工数管理の機能には、工数の時間と勤務時間の統合性チェックもあり、差異が無いかを自動でチェックできるため、正確な工数管理を行えます。
スマートフォンにも対応しており、誰でも使いやすい機能となっているので、詳しく知りたい方はぜひお問い合わせください。