内部統制を強化するためにはワークフローのシステム化が重要!
内部統制とは、企業が経営目標を達成するために定められたルールや仕組みのことを指します。内部統制の強化とワークフローシステムの導入には、密接な関係があります。
この記事では、ワークフローシステムの導入によって内部統制をどのように強化できるのか詳しく解説します。ワークフローシステムの導入手順についてもご紹介しておりますので、ぜひご参考ください。
目次
内部統制とワークフローシステムの関係性
内部統制もワークフローシステムも、企業内のルール順守に役立ちます。ワークフローシステムとは、稟議書などの各種申請書類を電子化させたものです。システム化させることで業務プロセスを固定できますので、複雑なプロセスであっても正しく業務を進行できます。そのため、内部統制の強化には、ワークフローシステムが大いに役立ちます。
内部統制の強化はワークフローの「見える化」で改善できる
ワークフローを紙で管理している場合は、今誰が申請書を持っており、承認・決済までにどれくらいかかるのか判断しにくくなります。また、過去の申請書を確認する場合は、紙を1枚ずつ確認して探さなければいけなくなります。そのため、各種申請業務を「見える化」するためには、ワークフローをシステムで管理する必要があります。 ワークフローをシステム化させることによって、関係者が常に進行状況を確認できるようになりますので、内部統制の強化につながります。
ワークフローシステムの導入で内部統制を強化できる7つのメリット
内部統制の強化において、ワークフローシステムの導入で得られる7つのメリットをご紹介します。
①ルールが徹底できる
ワークフローシステムでは自動的に次のプロセスが選択されるため、進行に迷うことがありません。一度決めたルールでも、人が運用していくうちに勝手に工程が増える、もしくは業務工程を飛ばすなど、惰性でルールが変更される可能性があります。ルールを守るためには、ワークフローシステムの導入が効果的でしょう。
②業務内容を厳密に把握できる
紙の管理を中心として業務を回していると、誰が書類を保持しているのか、どうして業務が進まないのかが不明なケースが多々あります。誰かが処理していると思い込み、放置されることもあるかもしれません。 しかし、ワークフローシステムであれば、進捗状況を各自のパソコンでリアルタイムに確認可能です。プロセスが可視化され、業務のブラックボックス化を防げます。どこで何が行われているのかが明確になり、統制がしやすくなるでしょう。
③ミスや不正を防止できる
発注時の内容にミスがあると取り返しがつかなくなってしまいますが、ワークフローシステムを使えば、金額によって承認ルートを変えたり、上限を設けたりすることができますので、人為的なミスが発生するリスクを防げます。金額のミスや不正は、企業にとって大きな損失をもたらし、企業イメージの低下を招きかねません。ワークフローシステムを使い、企業を守る環境を整えましょう。
④監査対応の業務を効率化
ワークフローシステムを導入することによって、紙で管理していた書類を電子化できるようになります。紙で管理する場合は、監査時に求められる情報の探索に時間がかかることがあります。 一方、電子化された情報であれば、書類の情報や申請日、申請者などで検索をすると、目的の情報をすぐにみつけられます。監査がスムーズになると、法令順守やコンプライアンス強化にもつながるでしょう。
⑤書類の管理が楽になる
ワークフローシステムは電子データで保管するため、紙ベースの書類とは異なり管理コストがかかりません。上述した監査業務に限らず、必要な書類はすべて検索により見つけられます。管理されている場所に赴いて、自分で書類を探す必要もありません。大量の書類を手間なく管理でき、業務を効率化できます。
⑥記録として残しやすい
ワークフローシステムは、業務フローの履歴が電子データとしてすべて記録されます。電子データは、記録として残しやすいというメリットがあります。紙の書類でも保存は可能ですが、経年劣化や水濡れ、火災など物理的な要因によって情報が消滅するかもしれません。また、記録する内容が増えると、書類の保管場所も拡充する必要があります。
⑦引き継ぎがスムーズになる
ワークフローシステムには業務フローの履歴が残るため、担当者の変更による引継ぎがスムーズになります。前担当が退職したり、異動したりした場合でも、データを見れば状況がわかるため手間がかかりません。専門性を必要としない業務は、ワークフローシステムにより業務の属人化を防ぎましょう。
内部統制のためにワークフローシステムを導入する方法
内部統制を目的として、ワークフローシステムを導入する方法を紹介します。
課題の洗い出し
まずは無駄なフローや滞りやすいプロセスがないか、課題を洗い出します。洗い出し方の一例として、プロジェクトメンバーを決め、部門ごとの申請・承認にかかわるフローを確認するという方法があります。 部門の承認者に対しては、フローで困っている点はないか、改善案はないかなど聞き取り調査を実施しましょう。また、極端に使用頻度が低い申請は廃止可能か、似ている申請を一本化させるなども検討しましょう。
社内ルールの再構築
ワークフローを最適化するだけでは、業務の効率化で終わってしまいます。内部統制の強化には、社内ルールの整備も必要です。具体的には、どのようなプロセスになっていて、誰がどの申請に対して決済権を持っているのか、明確にしておくことが大切です。はじめに、口頭の受け答えのみで承認を行っているものがあれば、必ずシステム化させるようにしましょう。次に、どのようなプロセスで、誰が承認するのかを決めておきます。
よくある問題としては、プロセスがあまりにも複雑であったり、「誰かが承認をする」というように、承認のルールが曖昧になっていることです。 このような場合だと、複雑すぎてシステム化できなかったり、「誰かがやると考えた結果、誰もやらない」という事態が発生しやすくなります。そうならないために、プロセスは可能な限り簡略化させ、複数人で管理する場合は承認者の優先順位をつけておきましょう。
ワークフローシステムの選定
内部統制という観点で社内ルールを再構築すると、課題が顕在化します。この課題を解決するようなワークフローシステムを選び、内部統制の強化と業務の効率化を両立させましょう。ワークフローシステムを選ぶときは、承認ルートや権限設定が自由に変えられるものだと、内部統制のルールが変更になった場合でも対応できるようになります。また、既存の経費精算システムと連携できるものだと、一連のプロセスを全てシステムで処理できるようになります。
社内への通知
新しいワークフローシステムを導入する際は、従業員に周知します。新システムの導入後は、複数の従業員に使い方やエラーについて問い合わせが多くなることが予想されますので、事前に操作方法やよくある問題についてのマニュアルを用意しておきましょう。そして、従業員から来た質問に対しては、個別に対応するのではなく全体で共有することで、導入をスムーズに進めることができます。
仮運用を実施する
ワークフローシステムを導入したあとで問題点に気づくこともあるかと思います。そのため、いきなり全部署のワークフローを変えてしまうのではなく、まずは部門を絞って小規模で仮運用を実施し、稼働しつつ課題を改善していきましょう。課題が解決できたら、本格的に企業内で運用を開始します。
まとめ
ワークフローシステムは、業務プロセスを見える化できます。内部統制の強化にはワークフローシステムの導入がおすすめです。ルールの徹底やミス・不正の防止、情報の管理などにワークフローシステムを役立て、業務を最適化しましょう。
株式会社COELの「manage」は、シンプルな操作性で高機能なワークフローを搭載したERPフロントサービスです。稟議申請・経費精算・勤怠管理などの業務アプリを必要に応じて選択して導入することができます。 ERPパッケージや各種クラウドサービスと柔軟に連携します。また、総務人事部門のテレワーク推進にもご活用いただけます。
ManageOZO3編集部
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