公開日:2024/07/22
最終更新日:2024/07/30

勤怠管理システムの機能とは?従業員・管理者向けの機能を徹底解説

勤怠管理システムとは

勤怠管理システムの機能は、大きく分けると全従業員が扱うものと、管理者のみ扱うものがあります。
有名な勤怠管理システムであれば、搭載されている機能自体は一見すると同じように見えますが、それぞれ操作性や機能の柔軟性などは異なります。
本記事では、勤怠管理システムの機能にはどのようなものがあるのか、従業員・管理者向けの機能に分けて徹底解説していきます。

 

目次

勤怠管理システムの機能一覧

「従業員向けの主な機能」
  • 打刻機能
  • 残業・有給の申請機能
  • 勤務表提出機能
「管理者向けの主な機能」
  • ワークフロー機能
  • 勤怠集計機能
  • アラート通知機能
  • シフト作成機能

従業員向けの機能は、打刻方法の豊富さや各種申請書の作成・提出機能などがあります。
また、管理者や上長向けの機能では、従業員の勤怠管理がしやすい集計機能や残業超過のアラート通知、シフト作成機能などが搭載されています。
ここからは、勤怠管理システムには具体的に、どのようなシステムが搭載されているのかを解説していきます。

 

従業員向けの機能

従業員向けの機能としては、ユーザーIDやICカードによる打刻機能や、残業・有給の申請機能などが提供されています。
打刻機能では、従業員ごとに配布されているパソコンを使ったユーザー打刻や、生体認証を使った打刻システムなどが提供されているのが特徴です。
また、スマートフォンやタブレットを使ったものもあり、外出先からでも打刻ができるため、出社せずに正確な勤怠管理のできる製品もあります。
他にも、システム上から残業・有給申請もでき、わざわざ申請書作成画面を開かずに打刻画面から申請を行えるため、従業員は手間なく勤怠管理を行えます。

 

管理者向けの機能

管理者向けの機能では、ワークフローや勤怠の集計、アラート通知、シフト作成などがあります。
ワークフロー機能では、申請書に合わせて承認者の数や承認先を自由に設定できるため、人事異動の際に承認者を変更するといった手間を防げます。
勤怠の集計では、従業員の総労働時間や残業時間が一目でわかるようになっており、上限を超えそうな従業員には速やかに通達が可能です。

また、アラート機能は従業員・上長・管理者向けのものがありますが、上長・管理者向けのものは残業時間が45時間を超えた際のアラート通知となります。
実際に、6ヶ月間連続で残業時間が45時間を超えないように取り組むのは上長となりますが、アラート機能により管理者も状況把握が可能です。
シフト作成も勤怠管理システム上で行えるため、作成した勤怠の共有から修正まで一元管理でき、効率的な勤怠管理が実現します。

 

勤怠管理システムごとの機能差

有名な勤怠管理システムであれば、主要機能はどの製品でも搭載されているものが多いですが、カスタマイズ性や使いやすさは、製品によって異なります。
たとえば、パソコン打刻に対応していても、スマートフォン打刻の対応はしていないなど、提供されている範囲はさまざまです。
また、自社のルールや規則に合わせたい場合、アラート通知や残業申請の承認ルートなどをカスタマイズできるかどうかも重要となります。
そのため、勤怠管理システムを導入する際には、自社のルールに合わせた設定ができるのかどうか、複数社から見積を取ったうえで検討しましょう。

 

【従業員向け】勤怠の打刻機能の種類

スケジュールとビジネスマン

「打刻機能の種類」

  • 個人パソコン
  • 共有パソコン
  • スマートフォン
  • ICカード
  • 生体認証

打刻機能は主に5つあり、個人・共有パソコン打刻やスマートフォン打刻、ICカード打刻、生体認証打刻など、さまざまな業種や働き方に対応しています。
たとえば、営業で外出や出張が多い場合は、交通系ICカードを使った打刻を取り入れることで、交通履歴の読み取りも同時にでき効率的です。
従業員数が多くパソコンを使わない業種の場合には、ピットタッチによるICカード打刻や生体認証による打刻機能の活用でスムーズに勤怠管理ができます。
このように、業種や働き方によって、おすすめの打刻方法が異なりますので、ここからは5つの打刻方法について詳しく解説していきます。

 

個人パソコンを使った打刻

従業員全員にパソコンが付与されている場合には、個人パソコンを使った打刻方法がおすすめです。
従業員ごとに割り当てられたIDとパスワードでログインするので、他の従業員が代わりに打刻を行うといった不正を防止できます。

他にも、個人パソコンを使った打刻の場合、退出・再入の打刻もでき、長めの休憩や私用退出時など、細かく勤怠管理を行いやすい特徴があります。
出社・退勤だけでなく、より精密な勤怠管理が行えます。

 

共有パソコンを使った打刻

共有パソコン打刻は、職場の入口などに専用のパソコンを設置する方法で、各従業員が個別のパソコンを使わない現場におすすめです。
タイムカードのイメージに近く、紙での管理と比べてWeb上で勤怠管理ができるため、集計作業などが効率化できます。
ただし、従業員の多い会社では共有パソコンを使った打刻だと、出勤時や退勤時に列ができてしまうので、複数台設置が必要な場合もあります。

また、打刻時にログインをせず、一覧から自分の名前を選択して打刻をするものだと、代わりに打刻してもらうといった不正が起きてしまいます。
そのため、共有パソコン打刻では、従業員ごとにIDを割り振り、打刻の際にはログインしないと使えない設定ができるものが望ましいでしょう。

 

スマートフォンを使った打刻

スマートフォンを使った勤怠管理システムは、出社せずに勤怠管理ができるため、直行直帰の多い業種におすすめです。
たとえば、営業で外出が多い従業員の場合、打刻のためにわざわざ会社に戻る必要が無くなるので負担が軽減されます。

また、スマートフォン打刻にはGPS機能を使った打刻方法を取り入れている製品もあり、打刻した場所の管理も可能です。
出張先に着いてから打刻を行うルールを設定している場合、GPS打刻機能があればより正確な勤怠管理が行えます。

 

ICカードを使った打刻

ICカードを使った打刻方法は、カードリーダーにICカードをタッチすることで打刻が完了し、交通系ICカードや社員証も利用できます。
交通系ICカードを使った打刻の場合、交通履歴の読み取りも勤怠の打刻と同時に行えるようになるため、出張の多い業種におすすめです。
社員証と入館証が一体になったカードを使用している場合には、打刻機能を追加することで入退室管理とともに勤怠管理も行えます。

ただし、ICカードを使った打刻だけを取り入れてしてしまうと、カードを忘れたり紛失したりした際には、打刻ができなくなってしまいます。
他にも、カードリーダーの数が少ないと出勤・退勤時に行列ができてしまい、なかなか打刻ができないなどの懸念もあります。
ICカードを忘れたときなどの打刻方法をあらかじめ決めておき、カードリーダーの数は従業員数に合わせて複数台設置するなどの対策をしましょう。

 

生体認証を使った打刻

生体認証打刻は、指静脈や指紋認証、などさまざまなものがあり、入退室の利便性とセキュリティを高めたい場合に適しています。
どの生体認証も、従業員のデータをあらかじめ取得し登録すれば、本人以外は打刻・入室ができず、代理打刻やなりすましの防止が可能です。
ただし、指紋認証の場合、指紋の凹凸を元に認証を行いますが、指紋が薄くなってしまうとうまく認証できない可能性があります。

また、生体認証はプライバシーの問題にもつながる可能性があり、従業員の中には抵抗を感じる方もいます。
そのため、まずは従業員に現場の声を聞くなど、導入する際にはリスクなども考慮したうえで慎重に検討しましょう。

 

【従業員向け】使用できるデバイスの種類

アップデート中のデバイス

使用できるデバイスの種類

  • パソコン
  • スマートフォン
  • タブレット

勤怠管理システムで使用できるデバイスには、パソコン・スマートフォン・タブレットの3つがあります。
会社に設置されている共有パソコンだと出社しなければ使えませんが、個人所有のノートパソコンやスマートフォン・タブレットであれば、出先でも利用できます。
わざわざ出社して打刻する必要もなくなり、直行直帰がしやすくなるので、従業員の負担を大きく軽減することが可能です。
また、LINEやSlackから出勤・退勤の打刻ができるものもあるため、インターネットがあれば、どのデバイスからでも打刻を行えます。

 

個人所有や共有PCでの打刻

個人所有や共有パソコンを使った打刻方法では、従業員に割り当てられたIDでログインを行い打刻をします。
個人所有のパソコンの場合、勤怠管理システムにログインすれば、在宅ワークでも利用でき、テレワークと出社での働き方におすすめです。
一部の勤怠管理システムでは、使い慣れているLINEやSlackから打刻できるものもあり、手軽に打刻が行えます。

また、共有パソコンによる打刻は従業員数が少なく、個人PCが割り当てられていない場合に利用しやすく、数台の打刻用PCを用意するだけで導入可能です。
これまで、紙によるタイムカードを使った打刻方法を取り入れていたのであれば、共有パソコン打刻にすることで効率的に打刻ができます。

 

社用もしくは個人のスマホやタブレットでの打刻

スマホ・タブレットは、PC画面をそのままスマホで見れるものと、スマホやタブレット専用で画面が設計されているレスポンシブ対応のものがあります。
もしパソコンでの打刻よりもスマホでの打刻の利用が多い場合には、スマホ専用の打刻画面が提供されているか確認すると良いでしょう。

また、勤怠アプリのダウンロードが必要なものだと、製品によってはiPhoneのみ対応している場合があります。
古いスマートフォンだと、バージョンが対応していないこともあるので、アプリのバージョンとスマホのバージョンが合っているのか確認が必要です。
もし、個人所有のスマホやタブレットのバージョンが合っていないのであれば、社用のものを配布するなどの対策を行いましょう。

 

【従業員向け】残業・有給の申請機能

ラップトップとチェック

残業や有給申請機能では、一般的な残業申請や有給申請はどの勤怠管理システムでも行えますが、設定の柔軟性に違いがあります。
例えば、会社によっては事前の残業申請制や、半日休暇、時間休暇を導入している企業もあるかと思いますので、それぞれの働き方に対応しているか確認しておくことが大切です。
申請書の項目は自社に合わせてカスタマイズできるものもあるため、申請書の編集方法や変更後どのように反映されるかなども把握しておきましょう。

 

残業・有給申請の操作性

一般的には申請書作成欄から残業申請を選んで作成しますが、打刻画面から残業や有給の申請が可能な製品だと、操作性が上がり手間が省けます
申請書の画面にいかなくても打刻画面から申請できるので、残業・有給申請を手間なく行えるため非常に便利です。
勤怠管理システムで多くの手間を削減して運用したいのであれば、速やかに残業申請ができるような機能があるか調べておきましょう。

 

申請書の項目を自由に変更できる

勤怠管理システムの申請書作成機能では、自社の働き方に合わせて申請書をカスタマイズできるものもあります。
例えば、残業申請の場合は残業の理由を必須にしたり、事前申請制にして残業予定時間の項目を追加することが可能です。
ただし、残業理由などは会社によって必須じゃない場合もあるため、設定が変更できないものだと、かえって手間になってしまいます。
また、有給申請は会社によって午前休、午後休を導入している場合や、時間休に対応していることがあるので、事前に細かく確認しておきましょう。

 

【管理者向け】ワークフロー機能

ハンコを持つビジネスマン

勤怠管理のワークフロー機能では、申請書ごとの承認ルートの設定が行えます。
承認ルートの設定では、残業申請は課長承認、休日出勤は課長・部長・社長承認など、書類に合わせて決裁ルートを変更することも可能です。
承認者を設定する際は、個人名ではなく役職で設定できるものだと、人事異動があったとしても承認者の設定を変更せずに利用できます。
ここからは、管理者向けのワークフロー機能や検索機能、申請時のメール通知機能について解説していきます。

 

手間のかからない管理設定ができる

勤怠管理システムのワークフロー機能では、承認者の設定を役職で設定できる製品もあるため、体制変更があった際に承認ルートを変更する必要はありません
体制変更のたびに、ワークフローの承認ルートを変更するとなると、手間になるだけでなく変更が完了するまで申請機能が使えない場合があります。

また、残業の場合と休日出勤の場合で申請ルートを変えるなど、細かいルート設定のできる製品であれば、より厳密な労働時間の管理が行いやすくなります。
差し戻しが発生すると、業務遅延にもつながってしまうため、勤怠管理システムを導入する際には、手間のかからない管理設定ができるかどうかは必ず確認しましょう。

 

検索や通知機能が備わっている

「勤怠管理の申請書検索で絞り込める項目」

  • 申請書の名前
  • 申請日
  • 自分が申請したもの
  • 自分の申請が承認されたもの
  • 自分が未承認のもの
  • 自分が承認済みのもの

ワークフローに搭載されている検索機能を使うことで、過去に申請された書類をすぐに探し出せます。
たとえば、申請者の名前や申請日、自分が承認したものなど細かく検索ができるようになっています。
他にも、通知機能が備わっている製品もあり、申請書が提出された際には、承認者宛てにメールなどで通知が届きます。
このとき、普段使用しているチャットツールと連携できる製品であれば、通知の確認がよりしやすく、連絡が埋もれて対応を忘れていたというミスが防げます。
通知機能が豊富な製品の場合、承認期限が迫っているとリマインドを送れるため、承認忘れの防止につながるでしょう。

 

【管理者向け】勤怠の集計機能

ビジネスマンとデータ

勤怠の集計機能では、従業員一人ひとりの勤怠をデータ化できるため、給与計算の際などスムーズに情報の確認ができます。
従業員ごとの総労働時間や残業・深夜労働・休日出勤など細かく確認でき、従業員の状況が一目で確認可能です。
また、集計した情報はCSVなどに出力できるため、1つのプロジェクトに参加している従業員の労働状況の確認もしやすくなっています。
ここでは、管理者向けの機能である、勤怠の集計機能について解説していきます。

 

勤怠情報の詳細をデータ化できる

勤怠情報の詳細をデータ化できるため、必要な情報が可視化され、給与計算時のチェックが楽になり、管理者や総務部の手間を大幅に削減できます。
利用シーンとしては、プロジェクトに参加している従業員が、どの程度残業や休日出勤をしているのかデータとして可視化されます。
規程内に残業時間が収まっていたとしても、残業時間が常に多い従業員がいるのは会社として望ましくないので、定期的なチェックが必要です。
業務量を調節するための人員調整が必要な場合にも、勤怠情報の詳細をデータ化して確認できる機能は重宝します。

 

集計した情報は帳票に出力可能

集計した情報をCSVやPDFの帳票に出力することで、好みの形に勤怠情報をまとめることができ、従業員ごとの労働時間や残業状況を可視化できます。
残業の多い従業員がいた場合、一時的なものなのか慢性的なものなのか過去のデータと照らし合わせてチェックもしやすくなります。
また、CSVやPDFで出力した勤怠情報を、給与管理システムにそのままインポートさせることも可能です。
手入力によるミスを防げるようになり、給与管理を行っている総務部などの工数も削減できます。

 

【管理者向け】アラート通知機能

ラップトップとアラート

有給アラート 残業アラート 申請アラート
従業員向け 上長向け(管理者) 従業員向け

アラート通知機能には、有給アラート・残業アラート・申請アラートの3つがありますが、管理者が主に使うのは残業アラートです。
残業時間が45時間を超えないように、40時間の時点に通知されるアラートは従業員のためのアラートとなります。
しかし、45時間を超えた際のアラートの場合は上長・管理者向けとなり、上長は45時間以上の残業が6ヶ月超えないように対策します。

36協定や労働基準法により、残業しても可能な時間が定められているので、決められた時間を超えないように管理者は管理しなければなりません。
そのため、残業時間の上限が迫っていると通知を出してくれる機能や、リアルタイムの勤怠状況が確認できる機能は非常に重要です。
ここからは、管理者向けのアラート通知機能について詳しく解説していきます。

 

残業時間の上限が迫ると通知する

「36協定の残業上限」
  • 月45時間、年間360時間まで
  • 時間外労働は年6回まで月に45時間超えることができる
「特別条項付き36協定」
  • 年720時間以内
  • 月100時間未満(時間外労働と休日労働を含む)
  • 2ヶ月から6ヶ月の平均残業時間は月80時間

勤怠管理システムでは、毎月、残業の上限が来る前にアラートを出し、年間の残業時間の合計が上限に迫った場合でも通知が出せます。
具体的には、従業員の残業時間が20時間を超えた場合、本人だけでなく上長にもアラートを送ることが可能です。
残業時間の上限とは、業種によっても異なりますが、36協定だと基本的に「月45時間、年間360時間」までと定められています。

また、年6回までは月に45時間を超えることが可能となっており、当月のみの残業時間の管理ではなく年単位で管理しなければなりません
そのため、毎月の残業時間のアラート通知機能だけでなく、年間を通してどの程度残業をしているのかアラート通知が出せる製品だと便利です。

 

打刻画面上でも勤怠状況を確認できる

打刻画面上から勤怠状況を確認できる製品であれば、打刻の際に現在の残業や有給休暇取得状況が把握できます。
従業員は打刻画面で自分の勤怠状況が確認でき、管理者は自身の部下たちの勤怠状況が確認可能です。
アラートの内容は、打刻画面上にも表示されるようになり、二重で勤怠状況を確認できます。
勤怠管理システムによっては、残業時間だけでなく休日労働時間や有給残日数なども表示できるため、リアルタイムで状況把握が可能となります。

 

【管理者向け】シフト作成・管理機能

従業員の情報

シフト作成・管理機能では、システム上でシフトの作成を行え、集計などの管理まで一元管理でき、勤怠に関する業務の多くを効率化できます。
従業員がシステム上からシフトを提出し、その情報をもとに管理者がシフトを組めるので、工数削減につながります。
また、作成したシフトの調整や共有も勤怠管理システム上ででき、勤怠に関する多くを一つのツールで完結可能です。
ここからは、具体的なシフト作成管理機能について詳しく解説していきます。

 

シフトの提出から集計まで対応

管理者は、勤怠管理システム上で提出された情報をもとに、シフトを作成することが可能です。
エクセルや紙を使ってシフト提出から集計まで行っていた場合、シフト作成が煩雑になりがちですが、システム上で完結できれば作業効率が向上します。
製品によっては、提出された情報から法令遵守したスケジュールでシフト作成ができるため、管理者は微調整のみでシフト作成を完了できます。
このように、シフトの提出から集計までシステム上にてできれば、煩雑になりやすいシフト管理もスムーズに対応が可能です。

 

シフト調整や表の共有ができる

シフトの調整や完成したシフト表の共有も、勤怠管理システム上で行えます。
たとえば、シフトが出た後に従業員からシフト調整したいと相談があった場合、勤怠管理システム上で調整が可能です。
また、作成したシフト表はそのままシステム上で共有ができ、勤怠に関する情報はすべてシステムで管理・確認ができます。
製品によっては、シフト表ができたことを、メッセージツールなどを使って通知を出せるものもあり、シフト作成から共有までを効率的に行えます。

 

勤怠管理システムの製品の違い

チェックをつけるビジネスマン

勤怠管理システムの多くの製品は、搭載されている機能はほとんど同じですが、打刻方法やカスタマイズ性などは異なります。
たとえば、多くの製品ではパソコン打刻が提供されていますが、生体認証やスマートフォン打刻は、限られた製品でしか扱っていません。
他にも、法改正への対応やセキュリティ強度の差など、製品によって対応の有無は異なるため、自社の欲しい機能が揃っているかは事前に調査が必要です。
ここからは、勤怠管理システムの製品の違いについて、詳しく解説していきます。

 

利用できる打刻方法が異なる

打刻方法は、大きく分けて5つありますが、製品によって対応していない打刻方法もあります。
パソコン打刻やICカード打刻は提供されているものの、スマートフォン打刻には対応していないなどです。
他にも、生体認証打刻は指静脈や指紋認証と認証方法がさまざまで、製品によっては一部の認証方法しか提供していない可能性があります。
このように、勤怠管理システムの製品によって、利用できる打刻方法が異なるため、検討段階で自社が欲しい打刻機能がなにか決めておきましょう。

 

カスタマイズ性や連携できるシステムが異なる

勤怠管理システムのカスタマイズ性は、働き方に合わせた打刻方法や時間管理など、製品によって対応範囲が異なります。
たとえば、パートタイムや時短勤務、フレックスなど、さまざまな勤務形態があり、フルタイムでの勤怠管理とは異なります。
そのため、従業員の働き方に合わせて勤怠管理をカスタマイズできるのかどうか、検討の段階で確認しなければなりません。

また、勤怠管理システムは給与管理システムと連携させることで、給与の支払いに必要な工数を削減できます。
しかし、勤怠管理システムによって、連携できる給与管理システムの製品が異なります。
すでに給与管理システムを導入しているのであれば、勤怠管理システムとの連携性があるのかどうか確認しましょう。

 

法改正への対応やセキュリティの差

労働基準法が改正される際には、速やかに勤怠管理システムの機能も変更されるかどうか確認が必要です。
定期的にアップデートを行い、度々改正される法律に対応しているかどうかは、製品によって異なります。
法改正の際に、システムが対応するのに時間がかかるとなると、対応されるまで手動による管理や確認をしなければなりません。
また、どの製品もセキュリティに力を入れているものの、対応しているセキュリティの品質に差が出てくることもあります。
セキュリティに関する認証であるプライバシーマークにも種類があるため、どの程度のセキュリティが担保されているのかも事前に確認しましょう。

 

勤怠管理システムの料金相場

初期費用 0円から200,000円
月額費用 100円から10,000円(1ユーザー)

勤怠管理システムの機能によって、料金相場は異なりますが、初期費用は0円から200,000円、月額費用は100円から10,000円となっています。
費用に幅がある理由は、製品によってサポート体制や機能の充実さが異なり、低価格のものはサポートがマニュアルだけのことがあります。
また、低価格なものはカスタマイズできる範囲が狭く、連携性も高くない可能性があるので、機能面を重視して選ぶようにしましょう。
しかし、勤怠管理システムは従業員数で月額費用が異なるものも多く、従業員数が多ければ多いほど割引されるため、安価かつ手厚いサポートで利用可能です。

 

費用だけで選ばずに機能やサポートの充実さで選ぶ

比較的低価格の製品も多く販売されていますが、費用だけで選んでしまうと思っていたような使い方ができない可能性があります。
基本的な機能は揃っているものの、カスタマイズ性が低く承認ルートの設定ができない・他のシステムと連携ができないことはありがちです。

さらに、サポート体制がマニュアルのみ提供されている製品だと、導入時に困ったことがあっても電話や対面でのサポートを受けられない場合があります。
そのため、費用だけで選ぶのではなく、自社が欲しい機能やサポート体制が揃っているかどうかを重点的に選ぶことが大切です。
ただし、豊富な機能が搭載されていると、全てを使い切ることは難しく、かえって使いずらい可能性があるので、本当に必要な機能だけの製品を選びましょう。

 

勤怠管理システムを導入するときのポイント

上を目指すビジネスマン

勤怠管理システムを導入する際は、目的にあった製品を探すために、まずは自社の課題を洗い出すところから始めましょう。
多くの従業員を抱えており、勤怠管理はタイムカードなので集計に時間がかかっているなど、具体的な課題を上げていきます。
そして、就業規則や現在取り入れている働き方も洗い出し、どのような機能の揃った勤怠管理システムが必要か検討します。
いきなり勤怠管理システムを選ぶことは難しいため、ある程度の幅を持たせた条件で製品を選び、複数社から見積もりを取って比較を行いましょう。

 

勤怠管理システムを導入する目的を明確にする

勤怠管理システムを導入することで、どのような課題を解決したいのかあらかじめ明確にしておくことが大切です。
たとえば、従業員の残業管理をより精密に行い、正確に法令遵守するなら、残業時間が上限に近づいた際にはアラートを出す機能があると便利です。
他にも、勤怠管理システムから残業申請を行いたいのであれば、ワークフロー機能が充実した製品を選ぶことが大切となります。
そのため、なぜ勤怠管理システムを利用したいのか目的を明確にしたうえで、製品を選ぶようにしましょう。

 

自社の就業規則や働き方を洗い出す

会社や業種によって働き方は異なるため、まずは自社の就業規則や働き方を洗い出すようにしましょう。
もし、フルタイムの働き方以外にもフレックス制やパートタイムなどの働き方も行っているのであれば、対応した勤怠管理機能が必要です。
また、月単位だけでなく、日単位や週単位で従業員の労働時間や日数を管理できる製品だと、より精密に従業員の状況を管理しやすくなります。
複数の働き方を取り入れている会社なのであれば、働き方に合わせた打刻方法が利用できる勤怠管理システムを選びましょう。

 

自社に合った打刻機能のある製品を検討する

業種によって、効率的に打刻できる方法は異なるため、自社にあった打刻機能がある製品を検討しましょう。
工場などのパソコンを使わない業界の場合、従業員全員にパソコンが配布されていないので、ICカード打刻や共有パソコン打刻がおすすめです。
もし、従業員の外出や出張が多い会社であれば、GPS打刻やスマートフォン打刻のほうが、より正確な打刻が行えます
働き方や業種によってあっている打刻機能は異なるため、自社が必要としているのはどのような打刻方法なのか洗い出した上で検討しましょう。

 

勤怠管理システムの機能を使って業務効率化を進めよう

勤怠管理システムには、従業員が自身で勤怠管理をしやすい機能が揃っており、当月・年間の残業時間を一目で把握できます。
さらに、有給休暇の残数も確認ができるため、どのタイミングで有給休暇を取得するのかスケジュールが立てやすくなっています。
また、管理者向けの機能も充実しており、勤怠の集計や残業時間の上限が来たらアラートを出すなど、勤怠管理の工数削減が可能です。

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柏倉優

Webマーケティングの経験を経て、2021年6月に株式会社ITCSへ入社。 記事の企画・執筆・デザイン・アクセス解析まで幅広く担当。 皆さんに「それが知りたかった!」と思ってもらえるような情報を提供できるよう、日々勉強しています。

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監修者

近藤敏春

会計事務所系コンサルティングファームにてクライアントの情報システム構築・導入を多数経験。 2004年COEL入社後も、基幹系・管理系のシステム導入プロジェクトにPMとして従事。 2023年12月より経営管理部長。

執筆者

柏倉優

資格:Webライティング能力検定 1級
クラウドシステムやソフトウェアの記事作成を中心としてライター歴7年・編集長歴5年の経験を積んだ後、2021年6月に株式会社COELへ入社。
現在はmanageブログの編集長として、人事・総務・経理の業務を効率化するためのお役立ち情報を発信しています。