ワークフローとは?改善が必要な理由から具体的な方法・システム選びのポイントを解説
ワークフローの見直しは、業務の効率化や改善を行う際に欠かせない重要な要素です。この記事では、業務改善を検討中の経理や総務、情報システムなどの実務責任者に向けて解説します。ワークフローの定義やその重要性、改善方法、導入した場合のメリット、システムの選定ポイントなどを解説しているため、業務改善を検討する際の参考にしてください。
目次
ワークフローの定義
ワークフローの見直しを行う前に、ワークフローの定義やワークフローシステムの特徴について解説します。
ワークフローとは何か
ワークフローとは、業務の開始から完了までの一連の流れを表す言葉です。組織内での書類の申請から承認までのプロセスを意味する言葉として広く用いられています。また、これらの流れやプロセスをわかりやすく図式化したものをワークフローという場合もあります。ワークフローは、新人教育や業務の見直しなどを行う際に便利です。
ワークフローシステムの特徴
ワークフローシステムとは、ワークフローにおける課題や問題を解決するために有効なシステムです。システムの導入により、従来の紙で作成していた申請書や稟議書などを電子化できます。書類の作成だけでなく、申請から承認までのすべてのプロセスをシステム上で完結できるため、関連する業務の効率化も可能です。
ワークフローの改善が必要な理由
昨今様々な要因から、業務改善やテレワークの導入の必要に迫られている企業も多く、ワークフローの見直しが課題とされています。特にテレワークの導入を検討する企業が増えている主な要因は、働き方改革の推進や自然災害などの緊急時でも継続的な経営が行える状態を確保するためです。また、新型コロナウイルスの感染症対策である自粛要請にも、迅速に対応するためでもあります。
ワークフローを改善する方法
ワークフローを見直し、改善につなげるための方法を解説します。以下を参考にして、自社での取り組みに役立ててください。
現状の課題を洗い出し、PDCAサイクルを回す
ワークフローを見直すためには、現状を把握しなければなりません。まずは、課題の洗い出しを行い、それぞれに優先順位をつけます。課題を洗い出す際はヒアリングを行い、可能な限り現場の声を吸い上げましょう。次に、優先度の高い課題に具体的な目標を設定し、目標達成に向けてPDCAサイクルを繰り返し実施します。
ワークフローシステムを活用する
ワークフローの改善には、ワークフローシステムの導入が有効な手段です。システムの導入により、ワークフローを自動化・電子化できれば、ペーパーレス化の実現や業務の効率化が図れるなど、さまざまなメリットが得られます。システムは、自社のワークフローにあったものを選びましょう。
ワークフローシステムを導入するメリットについては、後ほど解説します。
ワークフローシステムを導入するメリット
企業がワークフローシステムを導入した場合、どのようなメリットが得られるのか、詳しく解説します。
ペーパーレス化を実現できる
ワークフローを電子化できるため、紙でのやり取りが不要になります。これにより、申請書などを作成する際の紙代や印刷コストの削減も可能です。また、書類の準備はもちろん、承認者の手元へ回覧する時間や保管場所を確保する手間も省けます。書類への押印も不要になるため、テレワーク中や取引先から直帰する場合でも、押印のためだけに来社する必要がなくなります。
業務を効率化できる
上述したように、申請書や稟議書などの申請をシステム上で行えるため、書類の作成や回覧などの手間を減らせます。必要な書類を探す時間を減らせるうえに、書類の紛失や取り違いなどの心配もありません。ワークフローにおけるムダを削減できるため、本来時間を費やすべきコア業務に集中できるようになります。
意思決定を迅速に行える
ワークフローシステムで申請を行うメリットは、システム上で完結させられることです。申請を行った場合、承認者に通知が届くため、テレワークや出張で社外にいないときでも、外出先から承認してもらえます。承認者は申請内容を確認し、承認ボタンを押すだけで簡単に承認できます。そのため、従来の紙ベースでの申請よりも迅速な意思決定が可能です。
プロセスを可視化できる
ワークフローシステムでワークフローを管理すれば、申請から承認までのルートを画面で簡単に確認できます。承認待ちなどの進捗状況をリアルタイムで把握できるため、業務の停滞を未然に防げます。
内部統制を強化できる
ワークフローシステムの導入により、申請書などのフォーマットはもちろん、申請ルートの一元管理も可能です。申請書の内容や申請ルートの確認など、情報を必要とする人に的確に伝えられるメリットがあります。また、決裁や証跡などの情報が可視化されるため、改ざんなどの不正の防止にもつながります。
多様な業務形態に対応できる
ワークフローシステムは、インターネット環境下であれば、社外からでもアクセスが可能です。そのため、テレワークやサテライトオフィスなどの多様な業務形態を導入している企業にも対応できます。
ワークフローシステムに切り替えた場合のデメリット
ワークフローシステムを導入した場合、メリットだけでなくデメリットも生じます。
導入コストがかかる
ワークフローシステムの導入には、初期費用のほか、月額料金の支払いが必要です。また、電子化が必要な業務が多岐にわたる場合、複数の機能をカスタマイズする必要があり、コストが増大する可能性があります。
すべての業務をペーパーレス化できるわけではない
業務や書類の種類によって、原本の保管が必要になる場合は、ペーパーレス化はできません。また、業務ルールが複雑だったり、自社の業務にあわなかったりした場合は、無理にシステム化するとかえって手間を増やしてしまうこともあります。
既存システムとのデータ共有ができないタイプのシステムもある
ワークフローシステムの種類によっては、外部システムとの連携機能がないものもあります。この場合、既存のシステムやサービス間でのデータ共有が行えないため、手入力などの余計な手間がかかり、業務効率を下げることになります。
ワークフローシステムへ移行可能な業務
メリット・デメリットからもわかるとおり、業務の種類によって、ワークフローシステムを活用したほうが、効率がよくなる場合があります。たとえば、他部署との連携が必要な業務では、依頼や実施、報告、承認などをスムーズに行えます。また、他システムへの反映も可能なため、稟議書などの決済後の業務も滞りなく進めることが可能です。
ワークフローシステム選びで大切なポイント
自社にあったワークフローシステムを選ぶには、以下のポイントを意識して検討しましょう。
自社のネットワーク環境にあっている
ワークフローシステムは、「オンプレミス型」と「クラウド型」の2種類に分けられます。オンプレミス型は、自社の業務にあわせて自由にカスタマイズできる特徴があります。一方、クラウド型は、システムの提供会社のサーバー上で利用できるため、インストールなどの手間がかかりません。自社のネットワーク環境にあうシステムを選びましょう。
既存システムや外部サービスとの連携できる
すでに利用しているシステムがある場合や将来的に外部サービスを利用する予定がある場合は、連携機能があるシステムを選ぶことが重要です。連携機能でデータの共有が行えれば、手入力の手間や操作ミスを減らせます。連携機能がないシステムを選んでしまうと、システム管理者の負担が増えるため、必要な機能を吟味したうえで選定しましょう。
業務の内容や範囲にあった運用ができる
ワークフローシステムのメリットだけで導入を決めるのではなく、自社で電子化したい業務にあっているかどうかの見極めが重要です。そのためには、事前にワークフローを整理しておく必要があります。そのうえで、必要な機能をカスタマイズできるシステムかどうかを検討し、自社の業務にあったシステムを選びましょう。
システムを導入する際の注意点
ワークフローシステムの導入の決定権は上層部にありますが、スムーズに導入するためには、システムの導入目的や重要性などの事前説明を行い、社員の理解を得ておくことが大切です。あわせて、操作方法の指導やマニュアルの作成も必要です。ただし、一度にさまざまな業務に導入すると、混乱を招く可能性があるため、段階的に実施するようにしましょう。
システムの導入により業務改善した事例
実際に、ワークフローシステムを導入した企業で成功した事例を紹介します。
人為的なミスが軽減した事例
A社では、有給などの休暇の取得や転居などの総務・人事関連の申請、業務連絡などのシステム化を実施しました。その結果、書類の紛失やタスク漏れ、決裁ルートなどの人的なミスが減ったほか、正確かつ迅速に業務が行えるようになりました。
スピーディーな意思決定が可能になった事例
B社では、クラウド型のシステムを導入し、スマホやタブレットとの連携を図り、外出先でも承認ができる仕組みを構築しました。これにより、申請から承認までの時間を短縮でき、スピーディーな意思決定が可能になりました。
まとめ
業務の効率化や多様な業務形態への対応が必要な場合、ワークフローの見直しが重要です。さらなる業務の効率化を図るなら、ワークフローシステムの導入が効果的です。
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ManageOZO3編集部
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