ワークフローシステムを導入することで、申請から承認までを可視化でき、紙やエクセルより大幅な時間短縮が期待できます。
運用コスト・人件費・作業工数などを見て総合的に判断し、コストパフォーマンスが優れているかどうかを判断すると良いでしょう。
ワークフローシステムのデメリット5選!意外な落とし穴と解決策
ワークフローシステムは申請・承認プロセスを可視化でき、人件費や作業工数を大幅に削減できますが、デメリットもいくつかあります。
導入するためには、社内ルールやフローを見直したり、大きくコストがかかったりといいことばかりではありません。
さらに、初期設定に手間がかかる・従業員も操作を覚える必要がある・紙にくらべて誤入力が増えるなど、課題は多くあります。
本記事では、ワークフローシステムの5つのデメリットと解決策をご紹介していますので、導入を検討している方はぜひ参考にしてください。
目次
ワークフローシステムのデメリットにはどんなものがある?
業務の効率化やテレワークへの対応など、さまざまな理由でワークフローシステムが検討されていますが、導入しただけでは課題を解決できません。
ワークフローシステムを導入するためには、社内ルールや業務フローの見直しを行う必要があります。
さらに、自社の申請書や承認ルートなどの運用方法を一切変えずに、 同じ作業や操作ができるワークフローシステムを探すのは困難 です。
さまざまなワークフローシステムが販売されていますが、選定に苦労するだけでなく人件費や作業時間といった余計なコストがかかるのは避けられません。
また、システムを導入して稟議書や見積書、請求書などの申請書を電子化したとしても、予想通りの効率化が実現できるとは限りません。
例えば、従来の運用フローのままワークフローシステムを導入した場合、複雑な設定が必要になり、余計な手間になってしまうことがあります。
課題①社内ルールや業務フローの見直しが必要になる
ワークフローシステムの導入時には、社内ルールや業務フローを見直し、システムで管理しやすくする必要があります。
エクセルで作成した申請書をシステムにそのまま流用できるものもありますが、承認ルートなどの機能性は製品によって異なります。
例えば、承認ルートを設定するにしても、承認者が休暇の場合でも申請が滞らないように考慮して設定しなければいけません。
組織変更や担当者の異動時などにも、フローの見直しは必要となってくるため、導入時だけでなく、定期的な見直しが必要です。
解決策:長期的に見直しの手間を減らせる体制にする
ワークフローをシステム化させる際に、 社内ルールが変更になった場合でも管理しやすい体制にすることで、長期的に手間を削減できる ようになります。
実際の例としては、いきなりワークフローシステムで申請書や承認ルートを設定するのではなく、まずは「職務権限規程」の作成・見直しを行いましょう。
職務権限規程とは、部長や課長などの役職に応じて権限の範囲を文書化したものを指します。
企業によっては、職務権限規程とは別で決裁権限表を用意し、職位ごとに一覧表で権限をまとめている場合もあるかと思いますので、その場合は「決裁権限表」を見直すことがポイントになります。
このとき、決裁者は人の名前ではなく、「課長」「部長」などの役職にして、職務権限規程をもとにしながらワークフローシステムで設定するのがおすすめです。
人の名前で設定してしまうと、その人が退職した場合や、別部署に異動になったときに設定し直す必要があります。
しかし、「部長決裁」など役職指定にすることで、仮に現在の部長が本部長になり、課長が部長に昇進した場合でも、設定を見直す必要はありません。
また、社内のルール変更として、「これまでは10万円未満の稟議申請は本部長決裁になっていたけど、今後は部長決裁にする」ということもあるかと思います。
このような状況においても、ワークフローシステムで「10万円未満の稟議書」を選択し、決裁者を本部長から部長に変えるだけで済むようになります。
課題②システムを導入するためにはコストがかかる
クラウド型のワークフローシステムの相場
初期費用相場 | 月額費用相場 |
---|---|
無料~30万円 | 300~500円 |
ワークフローシステムのデメリットとして、初期費用や月額費用がかかるところが障害になることもあるかと思います。
ワークフローシステムは大きく分けて、オンプレミス型とクラウド型がありますが、コストパフォーマンスを優先するのであれば断然クラウド型がおすすめです。
ただ、クラウド型では、製品によって月額費用が異なり、初期費用においてはサポート体制の内容によって費用が変動します。
例えば、初期費用が無料の製品の場合、導入時にはマニュアルの提示のみで電話サポートが受けられないことがあります。
さらに、機能が多すぎる製品だとカスタマイズできる幅が広いため、 導入に時間がかかりメンテナンスが複雑になりがち です。
月額費用が1ユーザー300円と安いものもありますが、一概に安いからいいというわけではありません。
機能が多すぎると設定やメンテナンスに時間がかかり、逆に少ない場合には思ったように使えないのが欠点です。
解決策:コストは人件費と作業時間を考慮する
費用が安いから、機能が充実しているからと選ぶのではなく、自社に合った製品を選ぶことが大切です。
ワークフローシステムは、紙やエクセルに比べると、どうしても費用がかかってしまいます。
また、コストが安いということは、機能が足りていなかったり、まともなサポートが受けられなかったりすることがあります。
そのため、「運用コスト」のみを見るのではなく、人件費や作業に費やしている時間も考慮することが重要です。
課題③システム化するためには初期設定の手間がかかる
システム化するためには、会社情報・社員情報・申請書の作成・承認ルートの設定などが必要です。
初期設定の手間は、「申請書が何種類あるか」によって大きく変わるため、利用する申請書が多ければ多いほど手間がかかります。
例えば、よく使う稟議書のみをシステム化する場合は、導入までにかかる期間は1ヶ月半と比較的短く済みます。
一方、見積書や請求書、住所変更届など、複数の申請書を作成し、 全てが揃ってからスタートさせるとなると、手間と時間が大幅にかかるのが難点 です。
解決策:どこまでサポートしてもらえるか確認しておく
導入時には、マニュアルの提示だけなのか、電話サポートをしてくれるのかなど、どこまでサポートしてもらえるかを確認しましょう。
マニュアルがあっても、設定までは親身に対応してくれない場合があるので、不安な場合は電話やWebMTGでのサポートがあるか確認してみてください。
また、複数の申請書をWebフォーム化させたい場合は、テンプレートがないか確認するのもおすすめです。
稟議書といった多くの企業で使われている申請書は、システムを提供している企業があらかじめテンプレートを用意している場合があります。
テンプレートを少し変えるだけで自社の運用要件に合う場合は、初期設定の手間を省けます。
その他にも、エクセルをそのままシステムに取り込める機能があれば、慣れないシステムで あっても簡単に利用可能です。
現在使っているフォーマットをそのままWebフォーム化できるので、現行のものを活用したいのであれば、合わせてチェックしてみましょう。
課題④システムの操作を覚えるのに時間がかかる
ワークフローシステムはほとんどの企業において、全従業員が操作するので、システムが使いにくいと導入するメリットが薄れてしまいます。
紙の運用に慣れている場合は、特にシステムの利用に抵抗を感じる従業員がでてくる可能性があります。
直感的に操作できるものであっても、応用での使い方がわかりにくいこともあるので、注意が必要です。
使いにくいワークフローシステムだと、システム管理者への使い方や不具合といった問い合わせが増える可能性も考慮しなければいけません。
解決策:できるだけ操作性がシンプルなシステムを選ぶ
機能が多ければ、その分自社のルールに沿ったものを作成できますが、かえって操作が煩雑になる可能性があります。
例えば、今使っているエクセルの稟議書を忠実に再現できるようなシステムでも、いざ使ってみると自由度が高すぎることがあります。
そのため、機能の充実性だけを見るのではなく、自社の社員にとって使いやすいのかしっかりと確認しましょう。
実際に自分が使うとより安心できるので、 トライアルの利用ができるワークフローシステムであれば、大体の操作感を掴みやすい のでおすすめです。
課題⑤紙と比べると未入力や誤入力が起きやすくなる
テレワークへの対応を目的として、ワークフローシステムの導入を検討することも多いと思います。
紙でのワークフローに比べ、気軽に稟議書の申請が行えるようになるため、入力ミスには注意が必要です。
具体的には、紙での申請書よりタイプミスが多くなり、間違いの指摘や差し戻しをする回数が多くなったなどが挙げられます。
特に金額や数字は間違えやすく、ミスが発覚すると差し戻しの回数が増え、場合によっては申請書類を作り直さなくてはいけません。
解決策:あらかじめ申請書に入力規則を設定しておく
未入力や誤入力のトラブルを回避するためには、事前に申請書の項目をプルダウンで選択式にするといった工夫が大切です。
さらに、必須項目が入力されていない場合は、エラーを出して申請できないようにしたり、消費税を自動計算させたりするのも効果的でしょう。
申請書に入力規則を設定しておけば、ミスの防止につながるだけでなく、申請書側も作業がスムーズになります。
ワークフローシステムで手間のかからない設定を行い、より効率的に活用していきましょう。
ワークフローシステムを導入したときのメリットは?
ワークフローシステムのデメリットは、導入前と導入時に解決できるものが多く、安定運用までいけばメリットのほうが大きくなります。
例えば、ワークフローシステムを導入することで、申請から承認プロセスが可視化でき、人件費・作業工数を大幅に削減可能です。
さらに、申請書をシステムで一元管理できるため、必要なときにすぐに申請書を探し出せます。
ここからは、実際にワークフローシステムを導入することで得られるメリットについて紹介していきます。
申請・承認プロセスを可視化できる
申請から承認プロセスを可視化できることで、どこで申請書が止まっているのかをリアルタイムに確認できます。
催促がしやすくなるだけでなく、クラウド上でのやりとりができるため、社外にいても承認がしやすくなります。
また、承認者にメールで通知が届くアラート機能もあり、わざわざワークフローシステムを開かなくとも状況を確認できます。
申請書が決裁されるまでに、紛失や承認忘れが起こることもなく、紙で対応していたときよりもスピーディーに決裁が完了できます。
人件費や作業工数を大幅に削減できる
紙での対応のときに比べ、作業工数がすくなくなるため、人件費の削減ができるのも大きなメリットです。
稟議書を作成した後には、印刷を行ったり決裁文書の管理をしたりと、少なからず人件費がかかっています。
その点、ワークフローシステムであれば、稟議書の作成から決裁、管理までをすべてクラウド上で完了できるため、人件費や作業工数はそれほどかかりません。
紙での保管の場合、管理者の人件費だけでなく、保管場所や印刷費といった諸経費もかかっているので、システム化を進めることでコスト削減にもなります。
申請書をシステムで一元管理できる
紙で管理していると、保管場所の用意が必要なうえに、特定の申請書を探すときに苦労します。
また、エクセルやPDFで管理している場合であっても、申請書をフォルダにまとめておかなければいけません。
その結果、探すのが困難となり、管理者が変わった際などにデータを見つけられなくなる恐れもあります。
しかし、ワークフローシステムであれば、 日付や申請者、申請書の種類などで検索できるので、管理が簡単 です。
事故によるデータ紛失も避けられるので、安全にデータを管理したい場合に最適です。
ワークフローシステムを選ぶときに注意すべきことは?
ワークフローシステムを選ぶ際には、費用面だけでなく、自社のルールや現在のワークフローに合ったものを選ぶことです。
突然、これまでと全く違うルールで導入してしまうと、従業員が対応についていけなくなり、作業効率が落ちる可能性があります。
そのため、社内アンケートを取ったり、現場の声を聞いたりしつつ、会社にあったワークフローシステムを選ぶようにしましょう。
株式会社COELでは、エクセルの申請書をそのまま電子化できるワークフローシステムを提供しています。
さらに、導入時には専任の担当者が初期設定時の代行や操作説明を行っています。
また、まずはお試しでご利用されたい方向けに、 30日間無料トライアルをご提供 しております。
製品選定のご相談も無料で行っておりますので、ワークフローシステムの利用をご検討の方はぜひ、お問い合わせください。